ロシアとウクライナ情勢の緊張が高まり、先行きに不透明感が増している中、期待されていたFOMCの結果はタカ派という印象となり、今後の利上げへの警戒感から米国も大きく調整しています。

しかし、日経平均株価は1週間を通して下落となりましたが、米国指標では、3指標ともに週足が下髭の長い陽線となっており、下落した割には戻した印象となっています。

一方、米国に比べて日経平均株価が弱かった要因としては、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済低迷懸念も悪材料になったのではないかとも考えられます。

いずれにしても、テクニカル分析では、起こるべくして起きた大きな下落だったのかと思います。

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現状分析

それでは、チャートを細かく見ていきましょう。

日足の移動平均線

5日線は、1週間を通して下向きで、株価の終値は5日線の下を推移しました。

25日線75日線も、下向きで推移し、株価に触れることなく乖離しています。

並び順は75日25日5日線の並び順で、引き続き安定下降を示しています。

機関投資家や海外の投資家が意識している200日線ですが、下向きに推移し、75日線とデットクロス後はその位置を維持しています。

トレンドライン

8月20日の安値2万6954円の横軸が意識されましたが、ここを割ってきており、直近ではこの価格を戻せるかがポイントとなってくるところです。

2021年2月16日の高値から6月15日の高値、そしてそのまま斜めのラインを伸ばすと、上値抵抗線が12月3日には下値支持線となり、このラインの延長を1月25日に割っているので、次はこのラインが上値抵抗線として意識されます。

上は直近に開けた窓(1月18日、19日)の窓埋めが意識されるところです。

もう少し上を見ると、三角持ち合いの下放れした8月20日、10月6日、12月3日、1月14日安値を結んだラインが今度は高値抵抗ラインとして意識されるところです。

下は、2020年11月20日24日に開けた窓を埋めるかが意識されるところです。窓埋めの11月20日高値は2万5,555円です。

一目均衡表

1月27日に底を付けて、遅行線との関係は、底と底で転換となりました。

しかし、9日後に株価は天井を付けており、この時に遅行線が大底となる可能性も残っています。

ボリンジャーバンド

-2σの線上をきれいに下げてきて、いわゆるバンドウォークの1週間でした。

まだバンドウォークが継続中ですが、若干バンドが内向きに変化しているので、横への意識も出てきたかというところです。

スローストキャスト

売られすぎゾーンまで落ちてから、28日に11の値でクロスし始めました。

ここから、売られすぎゾーンを脱するか、注目です。

MACD

ヒストグラムは陰転が進行していましたが、28日にピークアウトを付けました。

ここから上昇に転じることが出来るのか、どうなるでしょか。

そして、MACDは-500の値と、大きく0ラインから乖離し、下降トレンド継続となっています。MACDとシグナルともに、下向きのまま推移しての週末入りです。

月の満ち欠けですが、次回の新月は2月1日、満月は2月17日です。

総合判断

総合的には、大きな下落後の自律反発が期待できる位置です。

冬季オリンピックの開催など、反発の雰囲気で盛り上がる可能性と、ロシアとウクライナ情勢への不透明感など、どっちにでも株価が反応するリスクがあります。

上昇トレンドの時の建玉と、下降トレンドの時の建玉を再度確認していきましょう。(執筆者:城 晶子)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 【今週の日経平均を考える】大きな下落後の自律反発となるか