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節税効果の高い「現金以外」の贈与財産2つ 110万以上でも結果的に無税となるケースも
NPB(日本プロ野球機構)には12球団存在し、選手はいずれかの球団に所属してプレーすることになります。
ただプロ野球選手は、所属する球団の社員ではなく個人事業主の扱いなので、税金の支払いは自分で行わなければなりません。
会社員へ支払われる給料は給与所得ですが、個人事業主は事業所得の対象となり、プロ野球選手であればグローブやバットなど、事業に関する費用を経費計上することが可能です。
たとえば年俸3,000万円の選手の場合、収入から経費を差し引いた事業所得から、扶養控除や社会保険料控除などを控除し、税率を乗じたものを所得税として納めることになります。
年俸が下がると税金の支払いが心配されますが、年俸以上に税金を支払うことはありません。
所得税の最高税率は45%であり、住民税も含めると半分以上を税金として支払うケースもあります。
1億円プレイヤーであれば、5,000万円以上納税している選手もいるかもしれませんが、この5,000万円の税金は、あくまでも1億円の収入に対しての金額です。
翌年の年俸が1,000万円に下がれば、収入1,000万円に対しての税金を納めることになり、所得税の納税額は経費や所得控除などを加味すると、100万円前後になります。
プロ野球選手で年俸が下がったことで税金が支払えなくなるのは、税金の支払いを考えないでお金を使いすぎたからです。
所得税や住民税は、所得金額に応じて変動し、確定した納税額を支払うのは翌年になってからです。
1億円プレイヤーになった年に支払う所得税・住民税は、前年の年俸に応じた金額なので、前年の年俸が3,000万円であれば、思ったよりも納税額が少ないと思う選手もいるかもしれません。
一方で、翌年の年俸が1億円から1,000万円になった場合、年俸1,000万円で働く年に支払う所得税・住民税は、前年の年俸1億円に対してのものです。
そのため税金の支払いを考慮しないでお金を使い切ってしまうと、納税資金が不足する状態となります。
毎年同程度の年俸を得ている人であれば、翌年の収入から前年の税金を支払うこともできます。
しかし前年から大幅に減俸した選手は、収入よりも前年の所得に対する税金の方が多くなることもあるため、税金が支払えなくなる選手が出てきてもおかしくありません。
収入が減ったことにより滞納した税金の支払いが免除されることはなく、納税期限までに税金を納めなければ、納税が完了するまで延滞税が発生します。
延滞税は日割りで計算されますので、納税が1日遅くなるたびに支払うべき税金が増えていく計算です。
1億円以上稼いでいる人の納税額は数千万円になりますので、1日遅れただけでも延滞金はまとまった金額になります。
そのためプロ野球選手であっても、個人事業主として必要な税金知識は身に付けておく必要があります。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)
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