- 週間ランキング
高配当株投資家必見!今から3年保有すべき配当利回りトップクラスの銘柄を紹介
投資初心者の人を中心に、高い人気を得ているバランスファンド。
なぜバランスファンドが多くの人に支持されているのか、まずはメリットから見ていきましょう。
バランスファンドは、世界の株式や債券など、値動きが異なるさまざまな資産クラスがセットとなった商品です。
そのファンド1つで分散投資が可能となるため、急激な価格変動が起こった際も大きな損失を回避できる点は、バランスファンドならではのメリットと言えるでしょう。
例えば、株式と債券に資産を分散したバランスファンドを保有していた場合。
株式と債券は「逆相関」の関係にあると言われており、一般的に景気の良いときは株式の価格は上昇し、景気が悪化したときには安全資産とされている債権に資金が流れる仕組みです。
ゆえに、株式の価格が大きく値下がってしまったとしても、もう1つの債券が歯止めとなり、大きな損失が出るのを防いでくれるというわけです。
リバランスとは、
・ 比率が減ってしまった資産クラスのファンドを買い付けしたり、
・ 反対に増えすぎてしまった資産クラスを売却したりと、
当初の割合が崩れてしまった場合に、ポートフォリオを元に戻すことを言います。
バランスファンドでは、このリバランスが定期的に自動で行われていることから、一般的に私たち自身がメンテナンスをする必要はありません。
例えば、株式と債券それぞれ50%ずつ投資を行うファンドがあったと仮定しましょう。
株価が上昇する局面では株式の比率が増加し、反対に債券の比率は減少します。
そこで、値上がりした株式部分を売却し、債券は買い増しすることで、それぞれの比率50%ずつにした当初の最適なポートフォリオに戻すのです。
これを個人で行うには手間もかかるほか、タイミングの見極めも必要となるため、なかなか容易なことではありませんが、バランスファンドであればプロが行ってくれるため、放置していても問題ありません。
また、このリバランスを個人で行おうとすると、値上がりした方の資産を売却する際に通常税金がかかってしまいますが、バランスファンドでは資産の入れ替えを行っても課税されない点もメリットと言えるでしょう。
では、バランスファンドに投資するデメリットについても見ていきましょう。
バランスファンドは、運用管理費(信託報酬)が割高な傾向にあります。
例えば普通のインデックスファンドの運用管理費は、年率で0.2~0.5%ほどがだいたいの相場ですが、バランスファンドの運用管理費は年率0.2~1.5%ほどです。
比較すると、バランスファンドはやや手数料が割高と言えるでしょう。
もちろん運用成績が優秀で手数料分に見合ったパフォーマンスをキープしてくれるのであれば、多少割高であっても問題はありませんが、運用成績があまり芳しくないとコスト倒れになってしまうケースもあります。
また短期であればそれほど痛手ではないですが、長期的な保有を視野に入れている場合、低コストのファンド選びも重要となってくるため、年率1.0%を超えるような高い運用管理費の商品を選ぶ場合は慎重に検討しなければなりません。
バランスファンドは、「どの資産クラスに、どれぐらいの配分で投資するかをプロが決める」のが特徴です。
そのため詳しい知識のない初心者でも気軽に分散投資ができるという点がメリットでもありますが、これは裏を返せばデメリットでもあります。
例えば「資金に余裕が出てきたから、積極的な運用を行うために、株式部分の比率をもう少し増やしたい」という思いが出てきたとしても、機動的な配分変更は基本的に行えません。
「知識や経験がないから何となく…」「分からないからとりあえずリスクの少ない方で」と、明確な意思を持たないままバランスファンドを選ぶ人は多いですが、のちにこれが足を引っ張り、投資スタイルを思うように変えられないというケースもあるのです。
ゆえにあらかじめ、自身が納得のいく資産配分がなされているファンドをしっかり検討したうえで選定することはもちろん、もし投資への考えが変わった場合には、バランス型以外のファンドへの切り替えや新たな商品を購入する等の必要性も出てくるでしょう。
バランスファンドでは、株式や債券など各資産クラスのうち、具体的にどのような銘柄を有しているのか個別に把握できないケースも多いです。
資産クラスや資産配分についての大まかな情報は目論見書で確認できますが、株式が先進国のものなのか、あるいは新興国のものであるのか、細かい情報まで公表されていないファンドも中にはあります。
そのため、いくつかの資産クラスに分散されているからといってすべてが安定型だとは言えず、ハイリスクな銘柄が含まれているケースも否めません。
ハイリスクな銘柄を含んでいるファンドを避けたい安定志向タイプであれば、過去の運用成績も事前にしっかりとチェックすることは必須です。
運用成績が芳しくないものはできるだけ避けるようにしましょう。
さまざまな資産クラスが混ざっているバランスファンドは、価格が下落してマイナスに転じたとき、どの資産クラスが要因でこの値動きとなったのか分かりにくくリスクの把握が難しいのが難点です。
ファンドの中には、月次レポートで定期的に情報が出され、直近1か月の値動きの要因を分析や解説しているものもあります。
しかし、リアルタイムでの資産配分は公開されていないものがほとんどのため、大まかな要因はのちに知ることができても、チャートを追いながら細かく随時分析していくのは困難であり、あくまで推測レベルとなってしまうでしょう。
投資初心者の中には、バランスファンドを複数保有しているような人も見かけます。
このような人は、「1つの商品に全額入れるより、分けた方がやっぱり安心だから」と、リスク分散を目的として考えている人が大半です。
しかし、バランスファンドの多くは、TOPIXや野村BPI総合など類似したベンチマークに連動するようなインデックスファンドを組み入れています。
そのため、一見違う商品を複数持つことでリスク分散できているように見えても、中身を詳しく見てみると投資内容はほとんど似通った内容となってしまっていることも珍しくありません。
わずかな差しかないのであれば、あえてバランスファンドを複数持つ意味はなく、思い切って別の株式の投資信託を追加するなどで対応したほうがリスク分散となるでしょう。
また、前述したようにバランスファンドは、自身がどのような内容のものに投資しているのか、分かりづらい側面もあります。
初心者の場合、複数持ちすることで資産構成がさらに複雑化してしまう可能性が高いので、そうなるのであればあまりおすすめはできないと筆者は考えます。
「バランスファンド = 安定型」というイメージから、販売員にすすめられるがまま、安易にバランスファンドに手を出す人も少なくありません。
しかし、その背景にはこのようなデメリットがあることも見逃してはいけません。
特に手数料については、初心者がゆえに相場を知らず「そういうものか」とスルーして、のちに後悔している人も多いです。
そうならないためにも、デメリットにもしっかり着目して検討することが大切です。
これから投資を始めようと思っている人は、ここで紹介した内容も参考にしたうえで商品を吟味するようにしましょう。(執筆者:元銀行員 吉村 みき子)
積立投資は毎月いくらが正解か?鍵は「非課税枠の使い切り」にあり
【積立NISAの投資構成】40代までは「株式100:債権0」で大丈夫な理由
投資信託を購入する時に確認しておきたい指標「シャープレシオ」