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積立投資は毎月いくらが正解か?鍵は「非課税枠の使い切り」にあり
筆者は銀行員時代に定期預金の金利が低いことを嘆く顧客に対し、運用というのも手段のひとつとしてあると示すため、会話の入り口として「投資信託等の商品について、どのように感じているか」を問うことが多々ありました。
この問いに対しては、
と返答する人が約半数近くでした。
投資経験のない人にとっては、「投資 = お金持ちがするもの」というイメージが強いようです。
しかし、近年の資産運用はお小遣い程度でも気軽に始められます。
例えば、つみたてNISAであれば100円から始めることが可能です。
そのため、まとまった資金が手元になくても問題ありません。
またつみたてNISAやiDeCoであれば、自動的にコツコツと金額が積み立てられていくことから、貯蓄が苦手な人や長期的な目線で貯めていきたいという人にもおすすめです。
むしろ、お金がないからこそ今からコツコツ積み立てて、将来設計に役立てたいと考えて始める人も多くいるほどです。
中には、ポイントを活用して投資にあてる人もいます。
家計に余裕がない人は、まずは100円や1,000円といった少額からお試しで始めてみて、余裕が出てきたタイミングで投資額を増やしていくというのも方法でしょう。
「知識がないからこまめに売買したりとかできないし、タイミングが分からない」
といった声も投資未経験者の人からよく聞くものです。
これは、パソコンに張り付いて、チャート版を見ながらタイミングを見計らいながら売買をする「デイトレーダー」のようなイメージが頭の中に勝手にできあがってしまっているのかもしれません。
しかし、投資にはいろいろな手段や商品があります。
なかでも積み立て投資は長期間コツコツと積み立てることを前提に設定された商品のため、こまめに価格をチェックする必要はありません。
最初に銘柄を選定さえすれば、あとは毎月自動的に買い付けされていくため、基本的には放置で大丈夫です。
さらに短期ゴールを目的とした商品であれば経済を予測するスキルもある程度必要となりますが、積み立て投資は長期前提で運用するため、都度経済を予測するような難しいスキルも必要もありません。
また、決まった金額で毎月購入し続けることから、商品の基準価格が下がったときにはより多くの口数が購入でき、のちに価格が上昇したときに利益アップにつながることが期待できます。
ゆえに、「上がってもよし、下がってもよし」と捉え、あまり気負いせずに1か月から数か月に1度チェックする程度でよいでしょう。
投資信託はもちろん、解約するタイミングによっては元本割れのリスクがあります。
そのため
と考える人も多いでしょう。
しかし貯金には、間接的にお金の価値が減ってしまう「インフレのリスク」があります。
インフレとは、物やサービスの価格が上昇し、お金の価値が下がることです。
例えば、インフレが10%進むと、これまで100円で購入できていた物が110円支払わないと買えないこととなります。
かつては自動販売機の缶ジュースも100円が相場でしたが、今では130円のところも多くなっているのはインフレの影響です。
このようにインフレはじわじわと進んでおり、コロナの影響もあり今後も日本ではさらにインフレが進むと言われています。
よって「貯金 = 安心・安全」という考え方は絶対ではありません。
将来に備えより安心できる対策を取りたいと考えるのであれば、貯金もしながらバランスよく投資を取り入れるスタイルの方がよいでしょう。
「預金の金利が低いのは分かっているが、慣れないものに手を出すのは怖い」と考え、警戒心を持ってしまう気持ちもとても理解できます。
しかし、現代は100年時代とも言われる長寿社会です。
長生きすることを前提に資産形成をする必要があるほか、この先インフレがグッと進むようなリスクも想定しておかなければなりません。
のちに「あのときに投資しておけば……」とならないよう、正しい知識を持って判断することが大切です。
ぜひここで紹介した内容を参考に、投資を今一度検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:元銀行員 吉村 みき子)
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