6月30日の中国本土市場は、中国共産党建党100周年の7月1日を明日に控え、堅調に推移した。主要指標の上海総合指数が前日比18.02ポイント(0.50%)高の3591.20ポイントと3日ぶりに反発している(上海A株指数は0.50%高の3764.20ポイント)。


中国景気の先行きが楽観される流れ。世界銀行は29日、中国の2021年国内総生産(GDP)成長率予想を8.5%と予測し、今年3月時点の予測値(8.1%)から0.4ポイント上方修正した。ただ、全体として上値は重い。世界経済の回復遅れが警戒された。欧州やアジアの一部では、感染力の強い新型コロナウイルス変異種(デルタ株)が流行し、行動規制を再び強化している。


なお、朝方公表された中国指標に関しては、6月の製造業PMI(国家統計局などが集計)がやや上振れる半面、同月の非製造業PMIは下振れた。強弱感の分かれる内容となる中、相場に対する影響は限定されている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、半導体などハイテク関連の上げが目立つ。半導体モジュール設計・生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が9.1%高、IC設計の上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が6.7%高、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が5.1%高、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(JCET:600584/SH)が3.9%高で引けた(嘉興斯達半導体株は上場来高値)。ICチップが世界的に不足する中、半導体業界の活況は続いている。上海市場のハイテク企業向け市場「科創板」では、上海科創50(Star50)が1.7%高。
昨年8月以来の高値水準を切り上げている。また、半導体株は海外でも上昇が目立ち、昨夜の米市場では、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日に続き史上最高値を更新した。

資源・素材株も高い。馬鞍山鋼鉄(600808/SH)が9.7%、廈門タングステン業(600549/SH)が6.7%、エン州煤業(600188/SH)が3.9%ずつ上昇した。銀行株、証券株、海運株なども買われている。


そのほか深セン市場では、車載電池世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)が5.2%高と続伸。連日で最高値を切り上げている。同社は30日、原材料の長期的かつ持続的な供給を確保するため、独BMWと華晨中国汽車HD(ブリリアンス・チャイナ:1114/HK)の合弁会社である華晨宝馬汽車(華晨BMW)と対策チームを立ち上げたと発表した。それに先立つ28日、2022年1月から25年12月までの4年間、リチウムイオンバッテリーを供給することで米テスラ(TSLA/NASDAQ)と先週25日に契約を結んだと公表している。


半面、消費関連株の一角はさえない。メンズウエア販売チェーンの海瀾之家(600398/SH)が6.0%安、老舗小売グループの王府井集団(600859/SH)が4.1%安、老舗化粧品メーカーの上海家化聯合(600315/SH)が3.0%安、乳製品グループ大手の内蒙古伊利実業集団(600887/SH)が1.3%安で引けた。保険株、医薬品株、不動産株も売られている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.23ポイント(0.48%)高の255.32ポイント、深センB株指数が6.76ポイント(0.57%)高の1193.51ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 30日の中国本土市場概況:上海総合0.5%高で3日ぶり反発、半導体セクター急伸