26日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比255.15ポイント(0.88%)高の29166.01ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が62.95ポイント(0.58%)高の10855.58ポイントとそろって続伸。ハンセン指数は心理的節目の29000ポイント台を約1カ月ぶりに回復した。売買代金は1642億9600万香港ドルとなっている(25日は1678億7000万香港ドル)。


人民元高の進行が追い風。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を前日に続き元高方向に設定した。人民元の対米ドル相場は昨日、約3年ぶりの元高水準を記録し、この日も小じっかりで推移している。中国景気の回復を背景に、ブローカー各社は元高がさらに進むと予想した。経済活動が早期に正常化するとの期待感も根強い。米国や中国では、新型コロナウイルスワクチンの接種が進展している。うち、中国首都の北京市では、25日午後3時(現地時間)時点で接種回数が累計3000万回を突破。1回目の接種を終えた人は1637万人に達し、18歳以上人口に占める比率は84.1%に拡大した。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が4.8%高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が4.3%高、同じくカジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.8%高と上げが目立つ。カジノ関連に関しては、旅客の回復が引き続き手がかり。マカオ政府の最新データによると、4月の入境旅客数は前年同期の72倍に急拡大したという。


セクター別では、中国の不動産が高い。中国恒大集団(3333/HK)が3.2%、中国金茂HD(817/HK)が2.1%、万科企業(2202/HK)が1.7%、中国海外発展(688/HK)が1.5%、融創中国HD(1918/HK)が1.4%ずつ上昇した。


空運や旅行代理店などレジャー関連もしっかり。中国東方航空(670/HK)が2.2%高、中国国際航空(753/HK)と中国南方航空(1055/HK)がそろって1.3%高、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が2.7%高、縦横遊HD(WWPKGホールディングス:8069/HK)が2.6%高で取引を終えた。


自動車関連セクターも物色される。乗用車や商用車メーカーの長城汽車(2333/HK)が5.3%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.4%高、中国重汽(サイノトラック:3808/HK)が1.9%高、吉利汽車HD(175/HK)が1.1%高、自動車向け小型モーター世界大手の徳昌電機HD(ジョンソン・エレクトリック・ホールディングス:179/HK)が3.2%高で引けた。


半面、海運セクターはさえない。中遠海運HD(1919/HK)が6.3%安、東方海外(316/HK)が5.6%安、海豊国際HD(SITCインターナショナル・ホールディングス:1308/HK)が2.8%安、太平洋航運集団(2343/HK)が2.5%安と値を下げた。


一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%高の3593.36ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。消費関連株、金融株、医薬品株、素材株、空運株、産金株、防衛関連株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。海運株、エネルギー株、公益株、メディア関連株も下落した。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 26日の香港市場概況:ハンセン0.9%高で続伸、中国不動産セクターに買い