18日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比399.72ポイント(1.42%)高の28593.81ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が150.46ポイント(1.43%)高の10654.30ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は1305億3500万香港ドルとなっている(17日は1456億3300万香港ドル)。


投資家のリスク選好スタンスが続く。新型コロナウイルスのワクチン接種が米国や中国などで進む中、経済活動の正常化が早まると期待されている。中国国家衛生健康委員会は17日、国内の新型コロナウイルスワクチン接種回数が16日時点で累計4億693万8000回に達したと報告した。外電の試算によると、16日単日の接種回数は1395万回に達し、過去最高を記録している。原油や金属の市況高もプラス。昨夜のWTI原油先物は1.4%高と続伸し、ロンドン金属取引所(LME)では銅やアルミなど主要産品の先物が軒並み上昇した。関連銘柄にとっての追い風となっている。なお、香港市場はあす19日、仏誕節の休場(本土は開場)。翌20日に取引再開する。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が5.8%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が5.3%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.2%高、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.8%高と上げが目立った。そのほか、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が2.7%高。同社は17日引け後、上海証券取引所(メインボード)に重複上場する計画を明らかにした。


セクター別では、石油や天然ガスなどエネルギー関連が高い。上記したペトロチャイナのほか、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が4.4%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.2%、中海油田服務(2883/HK)が4.6%、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が3.8%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が3.5%ずつ上昇した。


非鉄・鉄鋼セクターも急伸。新疆新キン鉱業(3833/HK)が6.3%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.3%高、江西銅業(358/HK)が2.6%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.3%高、重慶鋼鉄(1053/HK)が12.0%高、鞍鋼(347/HK)と中国東方集団HD(581/HK)がそろって5.7%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が4.2%高と値を上げている。


デベロッパーや管理サービスの不動産セクターもしっかり。碧桂園HD(2007/HK)が3.9%高、華潤置地(1109/HK)が3.3%高、中国海外発展(688/HK)が2.6%高、融創服務HD(1516/HK)が8.0%高、雅居楽雅生活服務(3319/HK)が6.4%高、保利物業発展(6049/HK)が2.1%高で取引を終えた。


他の個別株動向では、香港航空大手の国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が後場に上げ幅を拡大し1.9%高。同社が昼に発表した今年4月の旅客数は、前年同月比63.2%増の延べ2万2404人に拡大した。21カ月ぶりのプラス成長に転じている。


本土市場も3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.32%高の3529.01ポイントで取引を終了した。石油・石炭株が高い。素材株、海運株、不動産株、保険株、防衛関連株なども買われている。半面、消費関連株の一角は安い。半導体株、銀行・証券株、医薬品株の一角も売られている。

亜州リサーチ(株)


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 18日の香港市場概況:ハンセン1.4%高で3日続伸、資源・素材セクターに買い