30日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比28.04ポイント(0.81%)安の3446.86ポイントと4日ぶりに反落している(上海A株指数は0.81%安の3612.81ポイント)。


中国指標の下振れが相場の重し。朝方公表された4月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は51.1にとどまり、市場予想(51.8)以上に3月実績(51.9)から低下した。中国経済の伸び鈍化が懸念されている。また、中国本土でメーデーの大型連休(5月1〜5日)がスタートすることも買い手控え要因として意識された。(亜州リサーチ編集部)


金融株が下げを主導している。中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が6.8%安、上海浦東発展銀行(600000/SH)が4.7%安、中国工商銀行(601398/SH)が1.7%安、中国平安保険(601318/SH)が1.8%安、中国人寿保険(601628/SH)が1.6%安で引けた。銀行各社が昨日引け後に公表した1〜3月期決算はそれぞれ増益を確保し、不良債権比率も概ね縮小したものの、好感する買いは限定されている。


不動産株も安い。金地集団(600383/SH)が4.8%、新城控股集団(601155/SH)が3.2%ずつ下落した。空運株、エネルギー株、公益株、防衛関連株、素材株なども売られている。


他の個別株動向では、民営スーパーの永輝超市(601933/SH)が9.9%安と急反落。1〜3月期決算の99%減益を嫌気し、約4年ぶりの安値水準に落ち込んだ。


半面、医薬品株は物色される。上海復星医薬集団(600196/SH)がストップ高、浙江医薬(600216/SH)が4.8%高、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.1%高で取引を終えた。上海復星医薬に関しては、提携する独ビオンテックの新型コロナウイルス感染症ワクチンが7月までに中国本土で認可されると伝わったことが引き続き刺激。上海復星医薬は昨年、ビオンテックのワクチンを中国・香港・マカオで独占販売する権利を得ている。そのほか、半導体株や自動車株の一角も買われた。ベンチャー企業株で構成される深セン創業板指数は、ハイテク株や医薬品株などの主導で1.3%高と続伸。約2カ月ぶりの高値水準を回復している。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.92ポイント(0.37%)安の249.28ポイント、深センB株指数が4.98ポイント(0.43%)安の1144.35ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 30日の中国本土市場概況:上海総合0.8%安で4日ぶり反落、金融・不動産株が安い