23日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比323.41ポイント(1.12%)高の29078.75ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が128.72ポイント(1.18%)高の11067.84ポイントとそろって続伸した。売買代金は1429億8800万香港ドルとなっている(22日は1545億2200万香港ドル)。


域内景気の回復が期待される流れ。香港政府統計処が22日発表した2021年1〜3月期の失業率は6.8%となり、前期(20年12月〜21年2月期)の7.2%から予想(7.1%)以上に低下した。中国企業の業績改善もプラス。中国メディアは22日、「上海・深セン上場企業1430社のうち、4月21日夜時点で四半期業績予告を発表した企業の85%が前年同期比で増益、または黒字転換となる見通し」と報じた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が5.3%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が4.9%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が4.4%高と上げが目立った。


セクター別では、医療・医薬関連が高い。上記したアリババ・ヘルスや薬明生物技術のほか、医渡科技(2158/HK)が9.9%、京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が3.8%、平安健康医療科技(1833/HK)が2.4%、石薬集団(1093/HK)が3.3%、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が2.6%、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が1.8%ずつ上昇した。


太陽光などエコ発電関連セクターも物色される。陽光能源HD(757/HK)が17.8%高、信義光能HD(968/HK)が6.8%高、新特能源(シンター・エナジー:1799/HK)が6.1%高、福莱特玻璃集団(フラット・グラス・グループ:6865/HK)が4.1%高で取引を終えた。習近平・国家主席は22日、バイデン米大統領がオンラインで開いた気候変動サミットで演説し、「火力発電の石炭使用量を2060年までに実質ゼロとする目標に向け努力する」と改めて表明。エコ発電の振興が意識された。


主要な中国企業の業績発表が進む中、増益を明らかにした銘柄群の一角もしっかり。石炭生産で国内2位の中国中煤能源(1898/HK)が5.3%高と続伸した。1〜3月期の利益5倍に加え、中間期の大幅増益見通しも発表している。


半面、中国不動産セクターはさえない。万科企業(2202/HK)が5.0%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.9%安、華潤置地(1109/HK)が1.6%安、中国金茂HD(817/HK)が1.7%安で引けた。万科企業が公表した四半期決算は売上が30%増加したものの、利益は3%増にとどまっている。粗利益率の低下が失望売りにつながった。


一方、本土市場は4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.26%高の3474.17ポイントで取引を終了した。医薬品株が高い。食品飲料株、半導体株、保険株、発電設備株なども買われた。半面、石炭株は安い。不動産株、銀行株、自動車株、海運株、公益株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 23日の香港市場概況:ハンセン1.1%高で続伸、アリババ・ヘルス5.3%上昇