5日の香港市場はまちまち。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比175.18ポイント(0.60%)高の29288.68ポイントと反発する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は2.18ポイント(0.02%)安の11561.32ポイントと小幅ながら続落した。売買代金は2393億7500万香港ドルとなっている(4日は2397億8500万香港ドル)。


内外環境の改善が支えとなる流れ。米労働指標が上振れる中、昨夜の米株が続伸したことを好感した。中国の短期金利が再び低下したこともプラス。午前に公表された人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物は、前日の2.075%から1.909%に下げている。先月29日には、3.282%に急上昇していた。ただ、上値は重い。春節(旧正月)の大型連休(11〜14日)が来週始まることもあり、積極的な買いが手控えられている。本土マネーの流入鈍化も懸念材料。中国本土・香港間の相互取引スキームを通じた4日の売買では、香港株の買い越し額が今年最低水準に細った。(亜州リサーチ編集部)


マカオのカジノ関連に買いが先行。澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が7.9%高、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が6.3%高、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が4.3%高、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.1%高、美高梅中国HD(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が1.9%高と値を上げた。マカオ政府が昨年購入契約した新型コロナワクチンの第1弾、10万剤が本日到着。医療関係者や税関関係者のほか、カジノ関係者も優先接種することができる。


「巣ごもり消費」関連も急伸。オンラインゲームでは、心動(XD:2400/HK)が10.8%高、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が3.1%高、IGG(799/HK)が2.6%高と上昇し、そろって上場来高値を更新した。また、ショート動画投稿アプリ「快手(クアイショウ)」を展開する快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が本日新規上場。公募価格比160.9%高の300.00香港ドルと急騰した。


銀行セクターもしっかり。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が3.2%高、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が2.6%高、招商銀行(3968/HK)が1.9%高、中国建設銀行(939/HK)が1.2%高で引けた。このほか、英国に本社を置く金融も買われ、HSBC(5/HK)が1.7%高、渣打集団(スタンダード・チャータード:2888/HK)が1.6%高で取引を終えている。


半面、非鉄やレアアースの銘柄群は安い。江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が6.9%、中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が4.6%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.5%、五鉱資源(1208/HK)が2.1%、江西銅業(358/HK)が1.8%ずつ下落した。


他の個別株動向では、10〜12月期に利益3倍を計上したICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が10.6%安と急落。業績の先行きが不安視されている。趙海軍・共同CEO(最高経営責任者)は5日の決算説明会で、米国による制裁措置により、売り上げの伸びに引き続き影響が出るとの見通しを示した。


一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%安の3496.33ポイントで取引を終了した。素材株が安い。自動車株、ハイテク株、海運株、証券株、石炭株、公益株なども売られた。半面、銀行株は高い。消費関連株の一角、医薬品株、不動産株、空運株も買われた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 5日の香港市場概況:ハンセン0.6%高で反発、マカオ・カジノ急伸