29日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比18.25ポイント(0.54%)安の3379.04ポイントと3日ぶりに反落した(上海A株指数は0.54%安の3541.84ポイント)。


対中制裁の余波が懸念される流れ。米財務省は28日、「中国人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業への投資を禁止する規制」の運用ガイドラインを発表し、その子会社や対象企業が組み込まれたETF(上場投資信託)も対象に含めることを明らかにした。トランプ米大統領の在任期間が残りわずかとなる中(2021年1月20日正午まで)、中国に対する締付強化が懸念されている。


ただ、下値は限定的。来年スタートする中国の第14次5カ年計画(2021〜25年)を見据え、政策で恩恵を受けやすい銘柄群を物色する動きが散見された。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、足もとで上昇が目立っていた自動車セクターが安い。上海汽車集団(600104/SH)が7.5%、長城汽車(601633/SH)が3.7%ずつ下落している。長城汽車は前日、上場来高値を更新していた。非鉄株もさえない。江西銅業(600362/SH)が5.3%安、中国アルミ(601600/SH)が4.8%安で引けた。上海商品取引所では、アルミや銅やアルミなど主要産品の先物が安く推移している。このほか産金株、発電株、医薬品株、自動車株、食品飲料株、防衛関連株なども売られた。


半面、第5世代(5G)移動通信ネットワークの関連銘柄は急伸。通信機器メーカーの東方通信(600776/SH)と光ケーブル生産の烽火通信科技(600498/SH)がそろってストップ高、通信インフラ設備メーカー大唐電信科技(600198/SH)が5.9%高で引けた。産業支援策の期待が強まる。中国工業情報化部の肖亜慶・部長は28日、5Gネットワークの拡大に注力し、年間で基地局60万カ所以上の新設を目指す考えを示した。このほか金融株、不動産株、運輸株、メディア関連株も買われている。


一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が1.42ポイント(0.60%)高の239.50ポイント、深センB株指数が12.14ポイント(1.13%)安の1062.67ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で3日ぶり反落、自動車セクターに売り