10日の香港市場は値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比92.25ポイント(0.35%)安の26410.59ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が72.60ポイント(0.69%)安の10415.72ポイントとそろって反落した。売買代金は1100億100万香港ドルに縮小している(9日は1366億1000万香港ドル)。


米株安を嫌気した売りが先行する流れ。昨夜の米株市場では、米追加経済対策を巡る与野党協議の難航で、主要株価指数がそろって反落した。また、米政権が相次ぎ対中制裁を打ち出す中、米中対立が長期化するとの懸念もくすぶっている。中国外交部は10日午後の記者会見で、米国の外交官に対するビザの規制を強化するなど一連の制裁措置を発表した。域内経済の停滞も改めて不安視。香港では10〜23日にかけて、午後6時以降の外食禁止など新型コロナウイルス感染症対策が強化される。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.4%安、本土大手行の交通銀行(3328/HK)が2.8%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)と民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)がそろって2.5%安と下げが目立った。舜宇光学の関しては、スマートフォン用レンズの出荷数が11月に、前年同月比で0.8%減少したことが嫌気されている(マイナス成長は6カ月ぶり)。


セクター別では、スマートフォン部材や設備・工事の通信関連が安い。上記した舜宇光学のほか、丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が2.9%、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が2.4%、京信通信系統HD(2342/HK)が4.7%、中国通信服務(552/HK)が2.1%、中興通訊(ZTE:763/HK)が1.0%ずつ下落した。


中国の銀行・保険セクターもさえさい。前記した交通銀行のほか、中国農業銀行(1288/HK)が1.7%安、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.6%安、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が2.7%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.7%安、中国建設銀行(939/HK)が1.5%安と値を下げた。


半面、消費関連セクターの一角は物色される。食品の統一企業中国HD(ユニプレジデント・チャイナ:220/HK)と康師傅HD(ティンイー:322/HK)がそれぞれ5.1%高、1.7%高、スポーツ用遺品の李寧(2331/HK)が4.2%高、小売の百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が1.8%高で取引を終えた。


一方、本土市場は4日ぶりに小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%高の3373.28ポイントで取引を終えた。ハイテク株と医薬品株が高い。食品飲料や小売の消費関連株、エネルギー株、不動産株、証券株、インフラ関連株の一角なども買われた。半面、銀行・保険株は安い。自動車株、素材株、公益株、空運株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で反落、販売鈍化の舜宇3.4%下落