週明け28日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比7.77ポイント(0.03%)高の27576.96ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が8.83ポイント(0.08%)高の10882.50ポイントとそろって4日続伸した。売買代金は939億6700万香港ドルとなっている(25日は1064億200万香港ドル)。

米暫定予算の成立、米金融正常化ペース鈍化の観測が支援材料となっている。米中貿易問題に対する過度な不安も後退。ムニューシン財務長官は24日、米紙のインタビューで「交渉は大きく進展している」との見解を示した。劉鶴副首相は今週30~31日の日程で、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やムニューシン長官らと通商協議する予定だ。それに先駆けて、中国の関係部局次官は28日に訪米する見通しという。ただ、上値は限定的。本土株安をにらみながら、香港の各指数もマイナスで圏で推移する場面がみられた。中国景気の先行き不安が改めて意識されている。全国工業企業の利益総額は2018年12月、前年同月比1.9%減の6808億3000万人民元(約11兆267億円)に縮小した。約3年ぶりに前年実績を下回った前月(1.8%減)に比べ、減少ペースはさらに加速している。

ハンセン指数の構成銘柄では、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が2.5%高、国有石油大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.8%高、香港リートの領展房地産投資信託基金(823/HK)が1.6%高と上げが目立った。原材料を海外輸入する恒安国際集団に関しては、元高メリットが着目されている。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元の対米ドル基準値を約6カ月ぶりの元高水準に設定。この日の外国為替市場でも、元高の動きが鮮明化している。また、上述した米中の協議では、人民元相場の水準についても議題に上るとの見方が有力だ。

業種別では、中国の空運が高い。中国南方航空(1055/HK)と中国東方航空(670/HK)がそろって1.7%、中国国際航空(753/HK)が1.2%ずつ上昇した。元高メリットがクローズアップされる。空運各社にとって、元高はドル建ての燃油コストや債務の縮小につながるためだ。

本土市場は4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.18%安の2596.98ポイントで取引を終えた。医薬品株が安い。鉄鋼株、消費関連株、自動車株、ハイテク株などもさえない。銀行株も中盤から値下がりした。半面、石炭株はしっかり。発電株と不動産株の一角も物色されている。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 28日の香港市場概況:ハンセン0.03%高で4日続伸、恒安国際2.5%上昇