4日の香港市場は大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比467.39ポイント(1.73%)安の26623.87ポイントと3日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が238.53ポイント(2.21%)安の10547.64ポイントと反落した。ハンセン指数は、9月12日に付けた年初来安値(26345.04ポイント)に接近している。売買代金は802億3100万香港ドルに拡大した(3日の売買代金は674億5200万香港ドル)。

米金利高が投資家心理を冷やす流れ。昨夜のNY債券市場では、指標の米10年債利回りが3.18%台に急伸し、7年3カ月ぶりの高水準に達した。インドネシア通貨が約20年ぶりの安値(ルピア安ドル高)水準を切り下げるなか、新興国の資金が米国に流出するとの懸念が再燃。この日のアジア新興国マーケットでは、主要株式指標が軒並み下落した。

また、JPモルガンが最新リポートで、「米国と中国は来年、本格的な貿易戦争に突入する」と指摘したことも、中国景気の先行き不安を意識させた。米中関係を巡っては、トランプ米大統領が「中国との通商協議は時期尚早と考えている」と述べたほか、米国と中国の艦船が南シナ海で接近したなどと伝わっている。両国の関係悪化が危ぐされる状況だ。

ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.5%安、抗生物質・ビタミンC生産の石薬集団(1093/HK)が4.9%安、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が4.7%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が4.2%安と下げが目立った。このほか、香港系不動産が軒並み売られている。大手の信和置業(サイノランド:83/HK)は2.7%下落した。

業種別では、中国の金融が安い。衆安在線財産保険(6060/HK)が7.0%、中国人民財産保険(2328/HK)が2.7%、広発証券(1776/HK)が3.9%、中国民生銀行(1988/HK)が3.8%ずつ値を下げた。

中国不動産セクターもさえない。雅居楽集団HD(3383/HK)が4.0%安、万科企業(2202/HK)が3.4%安、中国金茂HD(817/HK)が2.8%安、中国海外発展(688/HK)が2.7%安、華潤置地(1109/HK)が2.5%安、中国恒大集団(3333/HK)が2.4%安で引けた。

半面、天然ガス関連セクターはしっかり。華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が6.9%高、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が3.2%高、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が1.2%高と値を上げた。同セクターの銘柄は今週初め、「重慶市が都市ガス初期設置費用の徴収を取り止めるもよう」と伝わるなかで急落している。一部のブローカーは「株価の下落は行き過ぎ」と指摘した。

本土市場は国慶節連休で今週いっぱい休場(1~5日)。週明け8日から取引再開される。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 4日の香港市場概況:ハンセン1.7%安で3日続落、天然ガス関連は逆行高