19日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比14.71ポイント(0.53%)安の2772.55ポイントと5日続落した。上海A株指数も下落し、15.40ポイント(0.53%)安の2903.60ポイントで取引を終えた。

人民元安の進行がマイナス。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を6日連続で元安方向に設定した。上海外国為替マーケットでは、再び元安の動きが加速している。中国企業の決算期待などで朝方は買われる場面がみられたものの、上値は重く、次第に売りが優勢となった。

業種別では、空運株の下げが目立つ。中国南方航空(600029/SH)が5.3%安、中国国際航空(601111/SH)が5.0%安で引けている。空運各社はドル建て債務の比率が高いだけに、実質負担の増加が懸念された。時価総額上位の銀行株もさえない。中国工商銀行(601398/SH)が1.2%下落した。IT関連株や医薬株、消費関連株、自動車株、不動産株、海運株なども売られている。

半面、保険株はしっかり。生保大手の新華人寿保険(601336/SH)は、6月中間期の8割増益見通しを手がかりに2.1%上昇している。上場保険各社に業績回復の見通しが示されるなか、同業他社株にも買いが広がった。

第5世代(5G)通信機器や光ケーブルなどネットワーク関連株の一角も物色される。烽火通信科技(600498/SH)が3.8%高、江蘇亨通光電(600487/SH)が3.6%高と値を上げた。中国通信機器メーカーの中興通訊(ZTE:000063/SZ)も1.9%高と買われている。5G商用化に向け、設備投資が活発化するとの観測が根強い。光ファイバー大手の江蘇亨通光電に関しては、中間期の45%~75%増益見通しが支援材料となっている。

一方、外貨建てB株の相場は値下がり。上海B株指数が1.87ポイント(0.65%)安の286.62ポイント、深センB株指数が6.92ポイント(0.66%)安の1040.57ポイントで終了した。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 19日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で5日続落、保険セクターは逆行高