10日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比499.16ポイント(1.65%)高の30728.74ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が251.02ポイント(2.08%)高の12324.02ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は1383億4800万香港ドルに拡大している(9日の売買代金は1152億2200万香港ドル)。

習近平・国家主席の演説内容を好感。中国海南省で開催中(8~11日)の国際経済会議「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」で10日、習主席が講演し、「各種の問題は、対話こそが解決の方法」と強調し、貿易戦争を回避する姿勢を示した。同氏が輸入関税の引き下げにも言及するなか、米中の通商問題に対する警戒感が一段と後退。指数は上げ幅を拡大した。

ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が6.8%高、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が6.0%高、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)が5.8%高と上げが目立った。

非鉄や鉄鋼、セメントなど景気動向に敏感な素材セクターも高い。洛陽欒川モリブデン集団(チャイナ・モリブデン:3993/HK)が7.2%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が5.9%、鞍鋼(347/HK)が5.2%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が4.0%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)と中国建材(3323/HK)がそろって3.7%、中国中材(1893/HK)が2.7%ずつ値を上げた。

中国の保険セクターも軒並み上昇。中国人民保険集団(1339/HK)が5.2%高、中国平安保険(2318/HK)が5.0%高、新華人寿保険(1336/HK)が3.5%高、中国人民財産保険(2328/HK)が3.1%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.0%高で引けた。

本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.66%高の3190.32ポイントで取引を終えた。金融株が上げを主導する。鉄鋼や非鉄、建材など景気動向に敏感な素材株も買われた。天然ガス関連株、空運株、不動産株なども上昇している。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の香港市場概況:ハンセン1.7%高で3日続伸、米中対話の期待強まる