8日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比457.60ポイント(1.52%)高の30654.52ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が154.54ポイント(1.27%)高の12334.83ポイントとそろって反発した。売買代金は1002億8500万香港ドルに縮小している(7日の売買代金は1132億5900万香港ドル)。

外部環境の改善が期待される流れ。米保護主義に対する過度な警戒感が後退するなか、投資家の不安心理が薄らぎつつある。本土株がプラスに転じて推移していることも、買い安心感を誘った。国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が中国で開催中とあって、各種の政策に対する期待感が根強い。香港の各指数は、引けにかけて上げ幅を広げている。取引時間中に公表された2月の中国貿易統計はまちまちの内容。人民元ベースで輸出が前年同月比36.2%増える一方(市場予想は7.4%増)、輸入は0.2%減少した(同1.2%増)。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面高(50のうち49が上昇)。なかでも、政府系発電会社の華潤電力HD(836/HK)が5.9%高、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が5.7%高、同じくカジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.6%高と上げが目立った。発電株に関しては、「燃料炭の合理的な価格形成と安定供給を目指す」との政府方針が手がかりとなっている。供給側と需要側、双方にとってメリットがあるとみられた。

本土系不動産セクターもしっかり。首創置業(2868/HK)が4.5%高、中国恒大集団(3333/HK)が3.8%高、碧桂園HD(2007/HK)が3.6%高、華潤置地(1109/HK)が2.7%高、広州富力地産(2777/HK)が2.5%高と値を上げた。

バイオ医薬セクターは続伸。バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が6.1%高、抗生物質・ビタミンC生産の石薬集団(1093/HK)が5.2%高、バイオ医薬品会社の薬明生物技術(2269/HK)が5.1%高、中医薬メーカーの中国神威薬業集団(2877/HK)が4.3%高、中医薬を中核とする薬品メーカーの広州白雲山医薬集団(874/HK)が3.5%高、心臓・脳血管薬で国内最大手の四環医薬HD集団(460/HK)が3.0%高と値を上げた。当局の産業育成方針が伝えられたことなどを好感している。

本土市場も反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.51%高の3288.41ポイントで取引を終えた。「雄安新区」関連の銘柄群が急伸。医薬品株や発電株、保険株、不動産株、自動車株なども買われた。


【亜州IR】





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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の香港市場概況:ハンセン1.5%高で反発、発電セクター急伸