連休明け3日の香港市場は大幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比618.91ポイント(2.25%)高の28173.21ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が395.34ポイント(3.62%)高の11305.38ポイントとそろって続伸した。ハンセン指数は約2年4カ月ぶりの高値を更新。今年最大の上昇率を記録している。売買代金は1031億2900万香港ドルに拡大した(9月29日は733億7500万香港ドル)。

内外の景気指標上振れで買われる展開。米国では9月のISM製造業景況感指数が予想に反して前月から上向き、13年4カ月ぶりの高水準に達している。中国では、9月の製造業PMI(統計局発表)が52.4と前月実績の51.7から大幅に上昇し、景況判断の節目となる50を14カ月連続で上回った。およそ5年ぶりの高水準。市場のコンセンサス予想では、前月からやや低下するとみられていただけに、中国景気の先行きが一段と楽観されている。

H株銀行セクターが相場けん引。招商銀行(3968/HK)が8.0%高、中国工商銀行(1398/HK)が7.9%高、中国建設銀行(939/HK)が5.9%高、中国銀行(3988/HK)が4.9%高、中国農業銀行(1288/HK)が3.7%高で引けた。条件付きの預金準備率引き下げが材料視される。中国人民銀行(中央銀行)は9月30日、中小企業や個人事業者などへの新規貸出または貸出残高が一定比率に達した商業銀行を対象に、預金準備率を最大で1.5ポイント引き下げる方針を明らかにした。保険株や証券株も軒並み上昇している。

本土系不動産セクターも高い。恒大地産集団(3333/HK)が8.8%、融創中国HD(1918/HK)が4.6%、世茂房地産HD(813/HK)が3.4%、広州富力地産(2777/HK)と万科企業(2202/HK)がそろって2.9%ずつ値を上げた。

他の個別株動向では、民間自動車メーカーの吉利汽車(175/HK)が12.3%高の24.70香港ドルと急騰。9月21日に付けた年初来高値(終値で24.20香港ドル)を更新した。大手ブローカーの強気見通しが手がかり。モルガン・スタンレーは最新リポートで、吉利汽車HDの目標株価を15.00→30.00香港ドルへ2倍に引き上げた。投資判断は「イコールウエート」→「オーバーウエート」に格上げ。新ブランド「LYNK & CO」の投入によって、今年下期以降の新車販売が順調に伸びると予想している。

なお、本土マーケットは国慶節・中秋節の大型連休に絡み、今週いっぱい休場。

【亜州IR】





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情報提供元: FISCO
記事名:「 3日の香港市場概況:ハンセン2.3%高と大幅続伸、H株銀行セクター主導で上昇