29日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比98.28ポイント(0.35%)安の27765.01ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が45.99ポイント(0.41%)安の11296.08ポイントとそろって6日ぶりに反落した。売買代金は948億9400万香港ドルに縮小している(28日の売買代金は1174億1100万香港ドル)。

地政学リスクの高まりが逆風。北朝鮮が本日早朝にミサイルの発射実験をおこなったことが懸念材料だ。周辺国や米国の対応を確認したいとするスタンスが買い手控え要因となっている。本土マネーの流入縮小もマイナス。中国本土・香港間の「相互乗り入れ」(両株式市場の相互取引開放)を通じた取引では、本土からの資金流入ペースが減速している。また、ハンセン指数は年初来の高値圏で推移していただけに、利食い売りも出やすい状況だ。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産開発をなどの九龍倉集団(ワーフ・ホールディングス:4/HK)が1.7%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が1.6%安、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が1.5%安と下げが目立った。

主要企業の決算発表が終盤に入るなか、業績動向を材料にした動きもみられる。充電電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が3.2%安と急反落。中間2割減益に加え、1~9月期も純利益が縮小するとの見通しが嫌気された。そのほか減益決算を発表した銘柄では、中国政府系金融・保険グループの中国太平保険HD(966/HK)が2.7%安、ソーラー発電装置施工(ソーラーEPC)大手の中国興業太陽能技術HD(750/HK)が2.2%安などと値を下げている。

半面、中間決算の増益を手がかりに不動産デベロッパー大手の中国恒大集団(3333/HK)と原子力発電の中国広核電力(CGNパワー:1816/HK)がそれぞれ11.8%高、2.4%高。黒字転換したコンテナ生産最大手の中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が1.8%上昇した。

非鉄セクターもしっかり。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が1.6%、江西銅業(358/HK)が1.5%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が0.9%ずつ値を上げた。中国アルミに関しては、社保基金が6月末時点の新株主に登場したことを好感している。

本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%高の3365.23ポイントで取引を終えた。金融株が相場けん引。鉄鋼や非鉄の素材株、ガスや発電の公益株、空運株なども物色された。

【亜州IR】





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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の香港市場概況:ハンセン0.4%安と6日ぶり反落、非鉄セクターは逆行高