7日の香港市場は、前日の終値付近で取引を終えた。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比22.98ポイント(0.09%)安の25974.16ポイントと小反落する半面、本土企業株で構成されるH株指数は5.20ポイント(0.05%)高の10611.46ポイントと小幅に続伸した。売買代金は869億8900万香港ドルにやや拡大している(6日の売買代金は746億2400万香港ドル)。

好悪材料が入り混じる状況。海外動向に不透明感が漂っていることはマイナスだ。今週8日には、トランプ米大統領が元側近への捜査を妨害したとの疑惑に絡み、コミー前米連邦捜査局(FBI)長官が議会証言する予定。欧州では、英国の総選挙、欧州中央銀行(ECB)理事会を控えている。

一方、本土マネーの流入期待が再燃していることはプラス。本土・香港間の相互株取引では、香港株の売買が6日、小幅ながら再び買い越しに転じた。本土A株と比べて香港株は割安感が強い——と指摘されている。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港拠点の不動産株や金融株が安い。信和置業(83/HK)が1.9%、新鴻基地産発展(16/HK)が1.7%、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が1.4%ずつ値を下げた。

中国自動車セクターも下げが目立つ。華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.3%安、北京汽車(1958/HK)が1.8%安、広州汽車集団(2238/HK)が1.3%安、吉利汽車HD(175/HK)と長城汽車(2333/HK)がそろって1.0%安で引けた。

自動車販売の先行きが不安視される。長城汽車の5月新車販売は6万9000台にとどまり、前年比4%減とマイナス成長が続いた。吉利汽車の5月新車販売(グループ全体)は前年同月比67%増と高成長を維持したものの、増加率は前月の94%から減速している。

半面、セメントや非鉄、鉄鋼の素材セクターは軒並み急伸。中国建材(3323/HK)が7.8%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が4.3%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が5.7%高、江西銅業(358/HK)が4.2%高、鞍鋼(347/HK)が4.3%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.2%高と値を上げた。

一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.23%高の3140.32ポイントで取引を終えた。ほぼ全面高の展開。上海総合指数の構成銘柄は9割超が上昇した。金融株が相場けん引。ゼネコンや建機、素材のインフラ関連株も買われた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の香港市場概況: 香港株式概況:ハンセン0.1%安と反落、素材セクターは急伸