a) 耐火物セクター 「サステナビリティ課題への技術対応力の強化(新製鉄法への対応ほか)」「非鉄鋼業界(非鉄・工業炉など)に向けた販売拡大による国内事業規模の維持」「海外向け拡販とM&Aの推進」をセクタービジョンとする。国内市場におけるセクター戦略は、国内粗鋼生産量が漸減の傾向にあるため、非鉄鋼業(非鉄・工業炉など)へ業容を拡大するとともに、サステナビリティへの対応を強化する。業界では耐火物と断熱材の両方の事業を行う事業者がほかになく、同社グループ独自の強みである。両製品の技術融合による省エネ性能を向上した製品の開発、使用後耐火物のリサイクル原料化により産業廃棄物と新規原料製造時に発生するCO2発生量の削減、熱ロス低減対策となる炉の設計と築炉技術の開発、交換頻度の少ない装置の提供などを、セクター間の協業により推進する。2023年4月には米国Allied Mineral Products社と国内のアルミニウム業界向け不定形耐火物の独占販売契約を結んだ。同社の競争力のある豊富な製品群を生かして拡販に取り組む。また、国内高炉メーカーも大型電炉、水素還元製鉄などCO2発生量を削減する新しい製鉄法を検討しており、こうした製法に対応した製品のラインナップ拡充、Green Refractoryの浸透を図る。
b) 断熱材セクター 「環境負荷を低減する断熱製品のグローバル供給」「成長市場(半導体製造装置業界など)向け拡販に対応する技術開発力の強化」「積極的なM&Aの推進」をセクタービジョンとする。セクター戦略は、脱炭素、省力化、合理化、IT化などへの投資を積極的に展開する。3ヶ年累計で54億円の設備投資を行い、生産基盤を強化する。次に、今後の成長が期待できる半導体製造装置業界や燃料電池(リチウム、NAS電池)用の部材、断熱性に加えて耐火性も兼ね備えた建築用不燃材などを拡販する。既にイソライト工業の耐熱性断熱ファイバーブランケットは、建築用エキスパンションジョイント(建物や構造物の間に設置される伸縮継手)耐火帯用製品として国内公共スタジアムなどに採用予定であり、鉄骨柱の表面仕上げ材である木材の裏の耐火材としても2025年1月には認定される予定である。そのほか、コア事業となる耐火断熱れんが及びセラミックファイバーの製造販売の持続的成長、成長分野での拡販、海外向けの拡販を強化し、年5%の持続的な成長を目指す。