米国での第3相試験のデザインについてはFDA(Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬局)と既に合意しており、主要評価項目は日本の第2相試験と同じく、投与後28日間において人工呼吸器を装着しなかった日数をプラセボ群と比較するものとなる。症例数は、300例及び400例の各段階で中間解析を行い、いずれかの時点で主要評価項目において統計学的有意差が得られた場合は、その時点で臨床試験を終了し承認申請することになる。また、臨床試験を継続する場合は最大550例まで実施する。IND(治験計画届)を2025年に申請すべく準備中で、試験期間は2〜3年を見込んでいる(治験薬は2024年4月にアサシスから数百例分を取得済み)。順調に臨床試験が進めば2027年に承認申請、2028年に販売が開始される可能性がある。なお、米国では迅速審査・承認が適用されるFast Track及びRMAT指定を受けている。
2. AND medical groupとの共同研究契約 同社は2024年4月にAND medical groupと共同研究契約を締結した。具体的には、同社が保有する再生医療等製品の生産過程で産出される培養上清液を原材料とする医療材料を開発し、AND medical groupが運営する美容外科クリニック等※に供給していく。契約一時金(60百万円)と研究の進捗に応じて支払われる対価(マイルストーン)の合計で180百万円を受領する。また、原材料の製造方法及び製造体制が確立し、共同研究の目的が達成された後は、原材料を同社からAND medical groupに供給するための供給契約を締結する予定だ。
※ 2024年9月末時点でAND medical groupブランドの美容皮膚科・美容外科・形成外科・泌尿器科を26拠点展開し、美容領域のクリニックで国内3番手。
契約一時金を2024年4月に受領したほか、研究の進捗に伴う1回目のマイルストーンを達成し、2024年12月期第4四半期に60百万円を受領する。今後はAND medical groupの需要に応じて、2025年内に毎月25リットルの培養上清液の提供を開始し、順次需要に応じて増産する計画である。単価については、多くの市販品が1cc当たり1〜3万円で販売されているが、AND medical groupの求める品質を確認しつつ、最終的な販売単価が決定される。