b) 仕事と介護の両立支援 働きながら介護をする人が増加するなかで、介護が理由で離職・転職する人が増加している。こうした状況下で、同社は企業の福利厚生サービスをパッケージ※にして提供し、仕事と介護の両立を支援している。2022年3月期には(株)ロッテ、(株)日立アカデミー、帝人<3401>、兼松<8020>等、2023年3月期には日立グループ各社、コーンズグループ各社、2024年3月期には日立グループ計40社、(株)エレケア、丸三証券<8613>、東京ガスネットワーク(株)がサービスを導入しており、2024年3月期末時点で導入企業は220社超、会員数は230万人超となっている。企業のESGやSDGsに対する関心が高まるなか、従業員の生活の質や満足度の向上を実現するためにサービス導入を検討する企業が増えると考えられる。また、2024年5月には介護離職を防止することなどを目的に厚生労働省が、育児・介護休業法を改正した。2025年4月からすべての企業に対して従業員への仕事と介護の両立支援制度の周知や、労働者への研修など雇用環境の整備を義務付ける方針が決定している。こうした政府方針のもと、同サービスに対する需要がさらに高まっており、顧客からの引き合いは、順調に増加しているという。
c) メディカルソリューション 製薬メーカーや医療機器メーカー向けに疾患啓発や利用状況などのマーケットデータを提供する、医療用薬品マーケティング支援サービスを提供している。「ケアマネジメント・オンライン」に登録しているケアマネジャーを活用し、メディカル領域に特化したケアマネジャー会員向けのWebアンケートや、「ケアマネジメント・オンライン」内で啓発コンテンツの展開等を行っている。同社は今後、メディカルソリューションを事業化することでWebソリューション事業の拡大を目指す。2023年3月期から営業活動を強化しており、製薬企業・医療機器メーカー向けのセミナー開催やプロモーション活動に注力してきた。2024年3月期も複数の新規受注を獲得しており、今後のさらなる業績寄与が期待される。同事業の外部環境の見通しは良好だ。同社によると、「医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保することなどによって保健衛生の向上を図る(国民の健康を保ち生命を守る)」ことを目的に制定された薬機法において、ネット広告に対する規制が厳しくなっているという。同社は「ケアマネジメント・オンライン」に登録しているケアマネジャーというリアルの資産に対してアプローチできるビジネスモデルを構築しており、同サービスの相対的な優位性が高まっていくことが期待される。また、シルバーマーケティング支援と同様、同事業においても顧客バリューチェーンの上流工程から関与することにより、単価と収益性の向上に注力している。