*16:04JST サンワテクノス Research Memo(4):2024年3月期の通期予想、経常利益は為替差益の計上などで上方修正 ■業績動向

3. 2024年3月期の業績見通し
サンワテクノス<8137>の2024年3月期の連結業績は売上高で前期比8.0%減の166,500百万円、営業利益で同27.8%減の5,510百万円、経常利益で同23.6%減の5,860百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同16.8%減の4,570百万円と減収減益を見込んでいる。中国の景気減速の影響や製造業各社の在庫調整が長期化している影響を考慮し、売上高は期初計画に対して9,300百万円引き下げたものの、利益面では第2四半期まで計画を上回って進捗していることから営業利益は期初計画を据え置き、経常利益は円安による為替差益の計上によって170百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益の計上もあって620百万円それぞれ上方修正した。

足元の受注高については前年同月比3割減となっており、底打ち感が見えない状況にある。顧客ごとに部材の在庫水準も異なることから、同一業界であっても発注状況にはバラつきがあるようで、受注が回復局面入りする時期を見極めるのは非常に困難となっている。ただ、今後も発注調整が続いたとしても豊富な受注残高を消化することで売上計画は達成可能と弊社では見ている。前期比で2ケタ減益となるものの、2023年3月期が業界全体で部材の先行手配の動きが広がるなど同社にとっては特需的に伸びたことで、2024年3月期はその反動減と見ることができる。2023年3月期からスタートした3カ年の中期経営計画における営業利益計画では、2023年3月期に50億円、2024年3月期に60億円、2025年3月期に70億円をターゲットとしていた。2023年3月期と合わせた2期間の営業利益で見れば、当初計画の110億円に対して131億円と2割程度上回るペースとなっており、中期的な視点で見れば順調に推移していると見ることができる。

なお、2024年3月期の為替前提レートは期初計画の129円/米ドルから137.9円/米ドルに見直している。現状の150円/米ドル前後の為替水準が続くようであれば、若干の増額余地が見込めることになる※1。また、政策保有株の売却についても引き続き検討していることから、その動向によっては親会社株主に帰属する当期純利益についても上振れする可能性がある※2。

※1 2023年3月期の平均レートは131.4円/米ドル。他の通貨もドル円レートと同様の変動率で推移したと仮定した場合、1円/米ドルの円安は年間で550百万円の増収、60百万円の増益要因となる。
※2 2023年9月末時点のその他有価証券評価差額金は3,874百万円。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 サンワテクノス Research Memo(4):2024年3月期の通期予想、経常利益は為替差益の計上などで上方修正