*13:04JST トリプルアイズ Research Memo(4):AIソリューション事業と研修事業を展開(2) ■事業概要

(3) GPU部門
GPU部門は2023年9月にゼロフィールドを完全子会社化したことに伴い、2024年8月期より新たに創設された。GPU部門の売上高は主に暗号資産のマイニングで用いられるGPUマシンの販売収入、また、保守管理に伴う収入の2つから構成されている。トリプルアイズ<5026>は国内で初めてマイニングマシンの販売を始め、現在は国内に5拠点、海外に2拠点のデータセンターを開設している。GPUマシンに関しては約3,000台の導入実績があり、日本ではナンバーワンの販売数を誇る。ゼロフィールドの既存の事業領域はこれらマイニング用のGPUマシンの販売となるため、短期業績は暗号資産の市況や電気代といった暗号資産マイニングの収益性に影響を与える外部要因で左右されやすい。また、日本国内では節税目的でマイニングマシンを購入するユーザーもいるため、関連する税制などが業績に影響を与える外部要因となる。

一方、同社とゼロフィールドとの事業シナジーとしては、元々ゼロフィールドはGPUマシンの販売ではあるが、AI開発上、GPUマシンを使うのが必須となるため、今後はAI開発用のGPUマシンをオンプレミスで持ちたいという顧客ニーズに合わせた製品開発し、両社の事業親和性の深化を進めていく計画である。

(4) 研修事業
同社の研修事業は、連結子会社のシンプルプランが事業として取り組んでおり、全国の様々な企業へ人材育成のためのセミナー研修業務を提供している。シンプルプラン代表取締役の丸茂喜泰(まるもよしひろ)氏をはじめ、スタッフは営業コンサルティングに精通しているため、同社の営業部門の体制強化にも力を注いでいる。特に自社サービスであるAIZEの販売促進が重要な経営課題であることから、経営・営業・人材育成に実績のあるシンプルプランと一体となりシナジー効果を発揮していくため、2019年に買収する至った。また、これからのエンジニアの条件として、ビジネスマインドを持ち、コミュニケーションスキルを磨くことが必須であるため、シンプルプランの研修プログラムをエンジニア育成に採り入れている。なお、開示資料にある通り、今期から金額的重要性からセグメントから外れる予定である。

(5) その他事業(将棋道場・教室の運営(所司一門将棋センター))
同社では、同社グループ社員で構成する将棋部を持ち、アマチュア将棋団体戦の全国大会である「職団戦」において、トップクラスであるSクラスに所属している。これは、同社グループの知名度向上に寄与している。渡辺明名人の師匠である所司和睛(しょしかずはる)氏が代表取締役を務める所司一門将棋センターを買収し、将棋道場の運営に関わることで、将棋界全体の発展に寄与する企業グループとしてその特色を色濃くし、企業価値・ブランドイメージのさらなる向上を図っている。将棋界に広く認知されることで、論理能力に優れた将棋のアマ強豪の採用にも寄与している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 トリプルアイズ Research Memo(4):AIソリューション事業と研修事業を展開(2)