*15:18JST IXナレッジ Research Memo(8):土木建設業界向けシステム開発を行うシーアンドエーコンピューターを子会社化 ■中長期の戦略・トピック

アイエックス・ナレッジ<9753>では、3ヶ年の中期の業績目標を掲げ、随時ローリングしている。3年後の2026年3月期の業績目標は、売上高で24,547百万円、営業利益で1,832百万円を掲げており、3年間の売上高成長率で年6.7%、営業利益成長率で年7.9%となる。最終年度の売上高営業利益率は7.5%を目指す。

中期経営方針としては、「中核事業の拡大」「次期成長事業の創出」「事業基盤の強化」の3本柱を掲げ、営業体制の強化や開発体制の整備、案件対応力の強化、加速するDXへの対応を進めている。

(1) 事業基盤の強化に向けて事業提携・M&Aも視野に
「事業基盤の強化」としては、中長期を見据えた積極的な投資活動を行う。投資分野としては内部成長とともに事業提携・M&Aも視野に入れ、成長のスピードアップとケイパビリティ拡大を目指す。同社は大阪や新潟といった首都圏以外でも事業を展開し、事業モデルを確立していることもあり、首都圏以外に基盤を持つ企業との連携も考えられる。このほか、DX対応のケイパビリティを強化すべく、クラウド関連・アジャイル開発その他の先端技術を持つ企業も事業提携・M&Aの対象としている。事業提携・M&Aのための財務基盤は十分整っており、今後の動向が注目される。

(2) 土木建設業界に特化してシステム開発を行うシーアンドエーコンピューターを子会社化
同社は、2023年2月にシーアンドエーコンピューター(本社:東京都江東区)の全株式を取得し子会社化した。シーアンドエーコンピューターは、土木建設業界に精通したノウハウを持ち、業界特有の「原価管理」や「CAD」、「配線管理」といった専門的なシステム開発を行い、戸田建設をはじめとするゼネコンや土木コンサルタント会社、コンクリート部材会社などの顧客に提供している。直近の売上高で701百万円(2022年3月期)、営業利益で29百万円(同)と過去から堅実な経営を続ける優良な企業である。

土木建設業界では、労働者の高齢化や慢性的な人材不足といった課題を抱えていることから、ICTやAIなどの先端技術を活用したデジタル化の推進によって、課題解決を図ろうとする動きが加速している。これまで同社(IKI)では、業界の特殊性もあるため土木建設業界でのシステム開発は参入してこなかった。今回、シーアンドエーコンピューターのノウハウと、同社が幅広い分野で培ってきたシステム開発に関わる知識や技術力を融合することで、より付加価値の高いサービスの提供に寄与すると判断した。また、両社の顧客基盤への相互の営業活動においても相乗効果が期待できるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 IXナレッジ Research Memo(8):土木建設業界向けシステム開発を行うシーアンドエーコンピューターを子会社化