2. 市場環境 グローバル自動車市場は、新興国を中心に需要拡大が見込まれるものの、地球温暖化やエネルギー問題に対応するため、環境規制の導入やEV化に向けた動きが加速しているほか、ICE(Internal Combustion Engine:内燃機関搭載車)が減少し、パワートレイン構成に変化が生じている。一方で、水素エンジンや再生可能エネルギーを利用して生成したクリーンなe-fuel(e燃料)エンジンの開発も進められており、次世代モビリティの選択肢として新たに普及する可能性も予想されている。EVとHEV(Hybrid Electric Vehicle)のWell to WheelでのCO2排出量を比較すると、現在研究開発が進められている熱効率50%のエンジンを搭載したHEVは、EVに対して競争力があるためEV化が一気に進む可能性は低く、先進国においてエンジン生き残りのシナリオもあると弊社は想定している。
a) 医療分野 同社は、主力事業である自動車エンジン部品の製造販売事業で蓄積した金属材料技術や精密加工技術などのノウハウを活用して、2015年3月期より医療分野への事業展開を図っている。現在、国内外の有力医療機器メーカーや大学等の研究機関と連携し、医療従事者や患者の立場に立った「人にやさしい医療機器」の開発に注力している。
b) 産業機器分野 産業機器分野では、メタモールド工法の形状自由度や材料自由度の優位性を生かして、CASE関連部品、ロボット、センサーなどへ展開する方針である。また、3D形状圧粉コアを用いたアキシャルギャップ型モータは、インホイールモータに最適で、電動カート、車いす、搬送・農業用ロボット、パワードスーツなどへの用途を想定している。