*14:19JST Eギャランティ Research Memo(9):配当性向水準は50%を目安に連続増配を目指す ■イー・ギャランティ<8771>の株主還元策とSDGsの取り組み

1.株主還元策
配当政策は、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を勘案しながら、業績に応じた配当政策を実施することを基本方針としている。配当性向については業績拡大により内部留保の充実が進んだことから、2021年3月期以降は50%近い水準まで還元率を高めている。今後についても配当性向の水準は維持し、収益成長により株式上場以来の増配を続けることを目指している。

2023年3月期の1株当たり配当金については保証残高が1兆円を突破した記念配当4.0円を含めて34.0円(配当性向56.0%)と株式上場来の連続増配を実施した。2024年3月期は記念配が剥落するものの、普通配当の増配により35.0円(同51.9%)と前期比1.0円の増配を予定している。今後も利益成長に応じた増配を続けていくことを目指している。

2. SDGsの取り組み
同社は、企業の信用リスクの受託と流動化の事業活動を継続することで、各産業への信用供与と適切な社会資源の配分を実現し、活力ある豊かな社会づくりに貢献していくことをサステナビリティの基本方針として掲げている。具体的な取り組みとして、環境面では太陽光や風力などの再生可能エネルギーに関わる商取引を保証することにより、環境問題の解決を間接的に推進している。例えば、太陽光パネルの設置工事を行う企業が太陽光パネルをメーカーから購入するときに、メーカーの信用リスクを自社で抱えることができず、購入を控えるケースがあるが、その際に同社がメーカーの信用リスクを受託することにより、設置工事を行う企業が太陽光パネルを仕入れやすくなり、太陽光発電事業の推進につながっている。

また、社会とのつながりでは、健康と福祉の観点から、病院や社会福祉法人との商取引を保証することにより、介護・高齢者福祉等の社会問題の解決に貢献している。社会福祉事業は各地域の中小企業が多く取り組んでいるが、介護ビジネスを担う中小企業は設備投資や人件費等の増加により資金繰りが逼迫している企業も多く、こうした企業の信用リスクを同社が受託することで、資金繰りの支援を間接的に行っている。また、地方創生にも信用リスクを受託することで貢献している。具体的には、ここ数年EC市場の拡大により各地域の企業と都市圏や県外の企業との直接取引が増加する一方で、各地域の企業では県外の取引先の信用リスクを調べることができず、未回収となった債権を回収するコストも大きくなっている。こうした課題を同社が信用リスクを保証という形で受託することで、回収コストを引き下げるとともに、各地域の企業の商取引の選択肢を広げ、地域社会の発展に貢献している。また、ベンチャー企業等の信用リスクを受託することで、ベンチャー企業等の成長をサポートしている。

同社はこうしたサステナビリティに関わる保証財務残高を指標として開示しており、2023年3月末時点で合計3,697億円の保証を実施している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 Eギャランティ Research Memo(9):配当性向水準は50%を目安に連続増配を目指す