*13:17JST 萩原電気HD Research Memo(7):イノベーションによる価値創造と経営基盤強化により、企業価値を最大化する ■中長期の成長戦略

萩原電気ホールディングス<7467>は、2022年3月期から2024年3月期を対象とする中期経営計画「Make New Value 2023」を発表している。重点戦略としては「コア事業拡大」「新高付加価値事業創出」「事業基盤強化」「企業価値向上」を掲げ、イノベーションによる価値創造と経営基盤強化により、企業価値を最大化させる。加えて、SDGs/ESG経営の社内浸透を図り、中期経営計画に定める重点施策の推進を通じて持続可能な社会の実現に貢献する。なお、数値目標として当初は2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円を掲げていたが、この目標は既に達成済みとなったことから、前述の予想数値(売上高2,130億円、営業利益63億円)を新たな目標とした。

1. 経営ビジョン
同社は、経営理念として「創造と挑戦」を掲げている。このうち、「創造」は全従業員が変化に適応し、新たな価値を創造し続けること、「挑戦」は全従業員が現状に満足することなく、さらなる成長に挑戦し続けることとしている。また、中期経営計画では「先進エレクトロニクスで未来を創造するソリューションデザインカンパニー」を新しい経営ビジョンに掲げている。

2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 中期経営計画:重点施策
イノベーションによる価値創造と経営基盤の強化により「企業価値を最大化する」ことを目的に、各事業セグメントにおいて「コア事業拡大」、「新高付加価値事業創出」、「事業基盤強化」、「企業価値向上」の重点施策を実行する。

(2) 中期経営計画:KPIの進捗
既出のように、最終年度の目標を1期前倒しで達成したことから、新たな最終目標を設定した。新しい数値目標は、売上高2,130億円、営業利益63億円、ROE8.0%以上となっている。

(3) 中期経営計画:エンジニアリングビジネスの強化
同社では、新高付加価値事業創出の実行に向けた「エンジニアリングビジネスの強化」を重要な施策と捉えており、その一環として萩原エンジニアリングを子会社化したが、今後もエンジニアリングビジネスについては、M&Aなども視野に強化していく方針だ。


SDG/ESG経営を積極的に進めるTCFD提言のコンソーシアムに加盟。今後の成長戦略に合わせて資金調達も多様化
(4) 中期経営計画:SDGs/ESG経営の推進
同社は、SDGs/ESG経営を積極的に進めている。現在では自社の排ガス低減施策として、社用車のエコカーへの乗り換えや施設のLED化等を進めている。またサプライチェーンの排出量低減については、関連企業と協働で取り組みを実施している。

また同社では、2022年7月からTCFD提言に基づく情報開示を実施。2023年4月にTCFD提言への賛同を表明し、コンソーシアムへ加盟した。

(5) 中期経営計画:資本政策/財務戦略の強化
自動車の高度化・高機能化への対応とグローバルサプライチェーンの安定を支える体制構築が急務となっている。さらに同社では、売上成長や事業構造改革に向けたDX投資や人材投資を積極的に推進することを計画しており、これに伴いグループの成長戦略に基づく資金需要が増加している。そのため、積極的な投資ができる健全な財務体質を維持・強化する目的で、多様な資金調達スキームを実行した。

まず2023年1月に「ESG経営支援私募債」100億円を発行した。さらに2023年4月には新株予約権を発行し、5月末現在で18.1%が行使され589百万円を調達した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 萩原電気HD Research Memo(7):イノベーションによる価値創造と経営基盤強化により、企業価値を最大化する