*13:22JST テラスカイ Research Memo(2):国内トップクラスのクラウド・インテグレーター ■会社概要

1. 会社概要
テラスカイ<3915>は、2006年の創業時からクラウドシステムの開発・導入支援に特化し、国内クラウド市場の成長をけん引してきたクラウドインテグレーションのリーディング企業である。Salesforceを中心にクラウドシステムの累計導入実績は同社単体で6,500件超(2023年2月末時点)となっており、業種・企業規模を問わず様々な開発案件を手掛けてきた。子会社は2023年2月時点で国内10社、海外2社となっており、なかでも、AWSの導入支援やSAPシステムのクラウド移行支援を行うBeeXは同社に次ぐ事業規模に成長している。人材投資を積極的に行っており、2023年2月期末の連結従業員数は992名と3年間で1.9倍に拡大した。

2. 沿革
同社は、2006年に現 代表取締役CEO社長執行役員の佐藤秀哉(さとうひでや)氏によって設立された。佐藤氏は、日本アイ・ビー・エム(株)からSalesForce Inc(セールスフォース)の日本法人に転じ、その立ち上げに参画した経歴を持つ。クラウドサービスが今後、企業の情報システムとして普及していくことを予見し、創業当初からSalesforceを中心としたクラウドシステムの開発・導入支援に特化して事業を展開してきた。

2008年に製品事業として、クラウドシステムの利便性向上に資する開発支援ツール「SkyEditor」※1(現在のサービス名はSkyVisualEditor)、2016年に次世代版グループウェアの位置付けとなるコミュニケーション・プラットフォーム「mitoco」※2、2017年にクラウド型データ連携サービス「DataSpider Cloud」※3の開発・提供を開始し、それぞれ導入社数を順調に伸ばしている。また、LINE(株)とSalesforceを連携したオムニチャネルコンタクトセンターソリューションとして、2018年にインバウンド対応の「OMLINE-I(オムリン アイ)」、2019年にアウトバウンド対応の「OMLINE-O(オムリン オー)」の提供を開始している。

※1 Salesforceの画面開発ツールで、各企業が自社の利用しやすいようにSalesforceの画面をカスタマイズする際に、同ツールが使われている。簡単・迅速に所望の画面を開発することが可能で、現在は業界標準と言われるほど高い競争力を有している。
※2 Salesforce基盤上で利用可能なコミュニケーション・プラットフォームで、社内のコミュニケーションツール(掲示板、トーク等)やワークフロー、文書管理、カレンダー機能を提供、社外の協力パートナー等との外部連携を可能としたほか、IoT連携によりインテリジェントな会議室予約の機能等の利用も可能としている。モバイルアプリにも対応している。
※3 (株)アプレッソ(2019年4月にセゾン情報システムズ<9640>に吸収合併)との共同開発品で、各種クラウドサービスと社内のデータベースやアプリケーション等のシステムをノンプログラミングで連携できるサービス。


同社は事業の成長過程において、資本業務提携も数多く実施してきた。これまでの実績を見ると、2010年にNTTテクノクロス(株)(旧、NTTソフトウェア(株))、2013年にAWSの導入支援・リセールを主に展開するサーバーワークス<4434>、2016年にIoT/モバイルクラウドソリューションを展開するエコモット<3987>、及び九州地区でクラウドインテグレーションを展開していたクラウディアジャパン(株)(子会社化後、2018年に吸収合併)、2017年にIBM製品のディストリビューターである(株)イグアス、2018年にERPシステムの導入支援等を行うビジネスエンジニアリング<4828>、2019年に独立系システム開発会社の日本システム技術<4323>、2021年にクラウド帳票サービス等を展開する(株)オプロとそれぞれ資本業務提携を実施している。

また、子会社展開についても積極的に進めている。2014年にサーバーワークスと合弁でAWSの監視・保守サービスを行う(株)スカイ365を設立したのを皮切りに、2016年にBeeX及び北海道を拠点にクラウドシステムの導入支援を行うキットアライブ※を、2019年にはベンチャー企業の投資・育成を行う(株)テラスカイベンチャーズ、量子コンピュータのアルゴリズムを研究開発する(株)Quemix、タイでクラウドシステムの開発・導入支援を行うTerraSky (Thailand) Co., Ltd.を相次いで設立し、Webシステム開発会社の(株)Cuonを株式取得により子会社化した。

※2022年9月に札幌証券取引所アンビシャス市場に株式上場したことに伴い連結対象子会社から外れ、持分法適用関連会社となった(出資比率49.5%)。


直近では、2021年にGoogleのクラウドプラットフォーム上でデータ分析基盤の構築等を行う(株)リベルスカイ、クラウド技術者の派遣・紹介事業を行うテラスカイ・テクノロジーズを新設したほか、AIプラットフォームの開発・導入支援を行う(株)エノキ(旧、アイフォーカス・ネットワーク(株))を子会社化し、2022年にSalesforceのMAツールであるMarketing CloudやPardot等の導入支援等を行う(株)DiceWorks(ダイスワークス)を設立するなど、クラウドサービス領域での業容拡大を積極的に進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 テラスカイ Research Memo(2):国内トップクラスのクラウド・インテグレーター