2023年3月期の連結業績は期初計画を据え置き、売上高で前期比11.5%増の10,700百万円、営業利益で同8.9%増の950百万円としている。売上高及び利益ともに過去最高を連続更新する見込みだ。通期予想を据え置いた理由として、同社はコロナ禍や世界的な半導体不足等による景気の先行き不透明感を挙げている。また、子会社の(株)NESCO SUPER SOLUTION(2023年1月1日より(株)テクニゲートへ商号変更。以下、テクニゲート)のオフィス移転や、同社とテクニゲートの関西事業所統合などの費用も見込んでいるようだ。しかしながら、2023年3月期第2四半期実績が計画を上回っていること、第4四半期(1~3月)に売上計上が集中し、営業利益が偏重する傾向があることから、通期予想の達成はもちろん、上方修正の可能性も高いと弊社では見ている。
2. M&A戦略 同社は、2022年3月期より積極的なM&A戦略を展開しているが、同社が成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスに関連した企業で、グループシナジーが発揮できるポテンシャルであることをM&Aの前提としている。この方針に基づき、2021年4月に(株)インフリーを子会社化した。子会社化により、同社のSAP売上高は69百万円(2021年3月期)から483百万円(2022年3月期)に大きく拡大し、2023年3月期も成長は続いている。シナジー効果を発揮するため、オフィスの統合などの改革を進めているほか、インフリーが開発した教育ツールなどのリソースをグループ内で共有することで、グループ全体のSAP関連ビジネスの拡大を目指している。また、2022年4月にはNESCO SUPER SOLUTIONを子会社化した。テクニゲートは、大手を中心とした直ユーザー取引を展開しており、これまで累計600社の導入実績を持つ。テクニゲートが有する知見を共有することで、同社が推進する直ユーザー取引拡大の進展が期待できる。