■ムサシ<7521>の業績動向

2. 2023年3月期第2四半期のセグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別(単体ベース)の状況は以下のとおりであった。

(1) 情報・印刷・産業システム機材セグメント
セグメント売上高は9,549百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益309百万円(前年同期は340百万円の損失)となった。印刷システム機材は微減収となったが、情報・産業システム機材が堅調に推移したことから増収となり、営業利益を確保した。

a) 情報・産業システム機材
注力しているメディアコンバート事業では、官公庁・自治体及び民間企業からの受注が伸長し、売上高は2,514百万円(前年同期比702百万円増、同38.7%増)と順調に推移した。また、スキャナーなど電子化機器や業務用ろ過フィルターの販売が好調だったほか、工業用検査機材の販売も概ね順調に推移し、前年同期実績を上回った。これらの結果、サブセグメントの売上高(単体ベース)は、3,859百万円(同5.3%増)となった。

b) 印刷システム機材
印刷システム機材の売上高(単体ベース)は、4,299百万円(同2.4%減)となった。印刷材料の販売は順調に推移した。一方で、印刷機器の販売では、レーザー加工機や特殊プリンターの販売は伸長したが、CTP機器やPOD機器などの販売が落ち込み、前年同期実績を下回った。

(2) 金融汎用・選挙システム機材セグメント
セグメント売上高は、4,313百万円(同18.4%増)、セグメント営業利益は1,111百万円(同36.0%増)となった。金融汎用システム機材は伸び悩んだが、主力の選挙システム機材が堅調に推移したことから増収増益となった。

a) 選挙システム機材
参議院選挙向けの「投票用紙読取分類機」「投票用紙交付機」「計数機」などの選挙機器や「投開票管理システム」の販売が新製品の投入効果もあり伸長し、売上高(単体ベース)は3,733百万円(同20.5%増)となった。これらの製品は、自社開発品であるため、利益率が比較的高く、全体の利益増にも大きく貢献した。

b) 金融汎用システム機材
貨幣処理機器の販売は、金融機関や運輸業界などの設備投資意欲抑制と新紙幣発行前の買い控えの影響により低調に推移したが、一部の貨幣処理機器や金融機関の事務集中化に伴うシステムの販売が伸長したため、前年同期実績を上回った。この結果、金融汎用システム機材の売上高(単体ベース)は524百万円(同3.6%増)となった。

(3) 紙・紙加工品セグメント
医薬品や化粧品向け紙器用板紙などの販売は順調に推移した。また、印刷用紙や情報用紙の販売も概ね順調に推移し、前年同期比で増収となった。この結果、セグメント売上高は4,387百万円(同6.9%増)となり、セグメント利益も21百万円(前年同期は22百万円の損失)となった。

(4) 不動産賃貸・リース事業等セグメント
おおむね順調に推移し、セグメント売上高は138百万円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益は112百万円(同8.7%増)となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ムサシ Research Memo(5):2023年3月期第2四半期は大型選挙により大幅な営業増益(2)