■会社概要

1. 会社概要
ムサシ<7521>は、1946年に紙の卸販売会社として創業し、現在では情報関連、印刷関連の商社事業に加え、自社開発した選挙関連機器や金融関連機器の製造販売も行っている。商社、メーカーの両面を併せ持った企業だが、いずれもニッチな市場に焦点を当てているのが特長だ。

2. 事業の概要
(1) 事業構成(セグメント別売上高)
決算短信に公表されている各セグメント別の売上高(2022年3月期)は、「情報・印刷・産業システム機材」が20,451百万円、「金融汎用・選挙システム機材」が7,245百万円、「紙・紙加工品」が8,241百万円、「不動産賃貸・リース事業等」が274百万円となっている。

さらに「情報・印刷・産業システム機材」はサブセグメントとして「情報・産業システム機材」と「印刷システム機材」に、「金融汎用・選挙システム機材」は「金融汎用システム機材」と「選挙システム機材」に分けている。

(2) 事業内容(サブセグメント別の内容)
a) 情報・産業システム機材
1) 文書や図面など各種文書のデジタル化業務をはじめとするメディアコンバート事業。
2) ドキュメント・マイクロフィルムスキャナーやデジタルアーカイブシステムの販売。関連ソフトウェアの開発・販売。
3) 非破壊検査に使用される産業用検査機材の販売。
4) 感熱式拡大プリンターの製造・販売。
5) 機能性材料(業務用ろ過フィルター等)の販売。
6) 社会インフラ画像診断サービス『ひびみっけ』の販売。

主な販売先は、官公庁・自治体、企業・金融機関、学校・図書館、非破壊検査業者など。

b) 印刷システム機材
1) デジタルプリンティングシステムやプリント・オンデマンドなどの印刷機器・材料・ソフトウェアの販売。印刷業務管理システムやWeb受発注システムの販売。
2) 名刺やカードを簡単に高品質印刷する、高精度インクリボン方式のプリントシステム機材の販売。
3) 印刷物の高付加価値化を実現する高性能「レーザー加工機」など印刷後加工分野の商品販売。

主な販売先は、印刷会社、文具・印章店、DPEショップ、一般企業など。

c) 金融汎用システム機材
金融機関の出納・両替業務や流通・運輸交通業における現金精算業務の効率化を図る貨幣処理機器、鍵・通帳などの管理機器、セキュリティ機器の開発・製造・販売及び関連したソフトウェア開発。貨幣処理機器等の輸出。

主な販売先は、金融機関、流通業(デパート、スーパー、コンビニ等)、宅配業、交通機関、公営競技場など。

d) 選挙システム機材
投開票業務の効率化を図る投票用紙読取分類機や計数機・交付機などの各種機器をはじめ、業務管理ソフトウェアの開発・製造・販売、選挙用品・用具の販売、投票率アップを図る選挙啓発プロモーションの支援などの総合サプライヤー。業界トップの最大手であり、販売先は各自治体。

e) 紙・紙加工品
印刷・出版・情報・事務用紙、板紙、付加価値の高い特殊紙や紙加工品の開発・販売。感圧紙の製造・販売。主な販売先は、印刷会社、紙器業者、出版社など。

f) 不動産賃貸・リース事業等
不動産の賃貸・運用、車両リース、各種保険代理店業務など。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ムサシ Research Memo(2):多様な収益基盤、「強い営業力」と「商品開発力」、安定した財務基盤が強み(1)