a) BJI インドネシアにおいて長期間にわたって預金保険機構の管理下にあったBJIについては、同社グループでは最優先課題の1つとして再生に取り組んでいる。2022年12月期第3四半期の営業収益は109億円(前年同期比53億円増)、営業利益は8億円(同29億円増)となった。事業規模が損益分岐点を超えたことで、2022年3月から7ヶ月連続で営業利益を計上し、利益幅は拡大している。コロナ禍の収束傾向もあり、2022年9月末の法人大企業を中心とする貸出残高は1,673億円と前年同期比で倍増している。また、インドネシア各地で日系大手デベロッパーとの業務提携を締結していることも、貸出の増加につながっている。一方、債権回収による不良債権金額の圧縮やリスクマネジメントを強化した成果もあって、NPL比率(90日以上延滞債権比率)は2.18%に低下している。預金残高は2,239億円(2022年9月末)に増加しているが、大口の高金利預金から小口の低金利預金への誘導策が奏功し、COF(Cost of Funds)は2020年1月の7.08%から4.24%まで低下したこともBJIの黒字化に貢献した。
b) JTRB カンボジアのJ Trust Royal Bank(以下、JTRB)の貸出残高は、2022年9月末時点で1,459億円(前年同期比13%増)と、法人向けを中心に拡大傾向が持続している。また、延滞債権比率は足元では若干上昇したものの1.92%と低水準にとどまっている。米国金利上昇に伴う金利競争激化により、預金残高は1,425億円と横ばい傾向にあるが、COFは3.2%と低水準で推移している。JTRBでは「Goal Saving」「The One」「Premier Savings Plus」などの普通預金商品を開発し、低金利預金獲得につなげている。