■今後の見通し

2. 中期経営計画の進捗状況と次期中計に関して
ASIAN STAR<8946>は2020年12月期よりスタートした中期経営計画の基本方針として、事業基盤である不動産サービス事業を強化拡大するとともに、付加価値創造事業分野と位置付けた5分野(生活・娯楽(ライフスタイル)、医療・健康(ヘルスケア)、教育(エデュケーション)、観光(インバウンド)、エネルギー(再生可能エネルギー))の成長企業とのコラボレーションによるアジア展開を推進し、同社の企業価値・株式価値の向上を目指している。

重点施策としては、上海地産グループ、遠東宏信医院集団有限公司、海南太禾控股集団有限公司の3社との戦略的提携が挙げられる。日本における高い付加価値を誇る事業分野として同社は、医薬品・医療機器にフォーカスし、遠東宏信医院集団、海南太禾控股集団と中国国内で本格的な事業展開を行う予定であった。コロナ禍により、遠東宏信医院集団との戦略提携に関する具体的協議は中止となったものの、海南太禾控股集団との提携は継続する。同社とは、2020年12月11日に海南島紅旗国際健康産業タウンプロジェクト開発に関する覚書に調印している。また、医療ツーリズム等のコーディネートサービス事業を進め、先進医療治療・訪日健康診断が行えるよう、現在はシステムを含めて準備中である。日本側の入国規制が緩和されればサービスを開始することとなっている。

呉氏は中国出身かつ中国在住の人物であり、現地の文化やニーズに精通している。対象市場に詳しい新会長の下で、顧客ニーズを捉えた新規事業が生まれることが期待できる。不動産関連事業に加えて新たな収益基盤が構築されることにより、同社業績も回復傾向に向かっていくものと弊社は考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 エイシアンスタ Research Memo(7):中期経営計画は一部停滞も、医療サービス開始に向け準備を進める