「データプロダクト」には、消費者に関する膨大なデータを分析する「UNIVERSE DATA PLATFORM」と分析されたデータをもとに顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE Ads」から成る「UNIVERSEサービス」、「MONOLITHS」を通じて提供される「デジタルサイネージサービス」が含まれる。
a) 「UNIVERSE」 「UNIVERSE」は業界や業種によって多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォームにより構成されている。
・「UNIVERSE DATA PLATFORM」 消費者のライフスタイルの変化をとらえるデータ、消費者の性別・年齢等を推定したデモグラフィックデータなどの一般的なデータ群に加えて、業界・業種に特化した大量のデータが蓄積されている。具体的なデータとしては、各種自動車関連のインターネットメディア閲覧履歴のデータなどが挙げられる。これらのデータは自動車購買までの消費者行動を分析するために活用される。2022年3月時点で211の外部データ保有企業・メディアからデータを収集・集約しており、これらの大量のデータを分析することによって消費者の複雑な購買行動を分析している。
・「UNIVERSE Ads」 同プラットフォームは「UNIVERSE DATA PLATFORM」が導き出したインサイトを活用し、顧客ごとに適切な広告配信を実現する広告主向けのプロダクトである。顧客のマーケティング課題を実際に解決するフェーズで導入される。RTB(Real Time Bidding)という広告配信技術を用いて、顧客企業のマーケティング投資に対するリターンを最大化することを可能にしている。鍵となるのが、同社のAIを活用した最適化アルゴリズムだ。AIによる分析においては、企業の製品・サービスのカテゴリ、掲載面の品質やコンテンツの内容、配信を行う時間、広告クリエイティブの種類(静止画・動画・ネイティブ広告等)など、広告の費用対効果を決定づける数十の変数を解析し、最適なアルゴリズムを構築している。このアルゴリズムを適用することによって、リアルタイムで最適な消費者に最適な価格で広告配信を行うことが可能になる。また、多くのSSPに接続可能なことも適切なターゲットに広告を配信できる要因の1つになっている(配信先の数は月間2,000億超)。これにより、顧客が抱える「ターゲットに適切にリーチできているかわからない」「ターゲットの条件を絞ったら配信ボリュームが落ちた」「効率よく広告配信したいが適切なターゲットが見つからない」などの課題を解決している。