一方、日系企業のアジア進出や中国を中心としたアジア企業の成長に伴い、アジア各国への販売子会社の展開も進めてきた。2004年に中国において日本と同レベルの技術サービスが提供できる環境を用意するため、西希安工程模擬軟件(上海)有限公司を設立し、CAEに関するコンサルティング、受託解析、教育等の技術サービスの提供を開始した。また、2008年には台湾で光学系、制御系、数式処理系等のCAEソリューションサービスを展開する思渤科技股フン有限公司を設立し、2017年に韓国で光学系CAEソリューションサービスを提供するCYFEM Inc.を、2018年にマレーシアで機械系・光学系CAEソリューションサービスを提供するCYBERNET SYSTEMS MALAYSIA SDN. BHD.を相次いで設立、アジア地域での事業展開を強化している。なお、韓国のCYFEMについてはSynopsysの販売代理店契約終了(2021年10月1日付)に伴い、2021年12月末に解散している。
また、同社は2009年6月に当時売上高の3割以上を占める主力取引先であった米国The MathWorks, Inc.との販売代理店契約が終了(MathWorksの日本法人設立による)し、収益が大きく落ち込むなど代理店事業が内包するリスクに直面したことで、自社開発製品の強化を進めた。具体的には、2009年に米国のSigmetrix, L. L. C.(以下、Sigmetrix:公差※1解析ソフトウェアの開発・販売・コンサルティング)、カナダのWATERLOO MAPLE INC.(以下、Maplesoft:数式解析ソフトウェア等の開発・販売・コンサルティング・オンラインサービス)、2010年にベルギーのNoesis Solutions NV(以下、Noesis:PIDOツール※2の開発・販売・技術サポート)を相次いで子会社化している。