■中長期の成長戦略

● 2024年3月期に売上高370億円、営業利益率10%を目指す
ワイエイシイホールディングス<6298>は創立50周年を迎える2024年3月期を最終年度とした中期経営計画を2021年3月に策定している。基本テーマ1. 粗利率アップによる高収益経営(最終年度には、営業利益率10%以上)、2. 経営効率重視経営(最終年度には、従業員1人当たりの売上高35百万円以上)、3. SDGsを加味した量産新製品(最終年度には、売上高の20%以上)として3つを設定。1. 営業改革:受注型営業の深耕と提案型営業の推進(「しなやか先端技術企業集団」として、取引先の様々なニーズを具現化しつつ、生活への安心と豊かさを与える商品開発を推進する)、2. グループ内効率経営(グループ内企業、事業及びシステムの統廃合により、高い効率経営を目指す)、3. 中国ビジネスモデル改善(最大のマーケットである中国との取引への柔軟な対応のため、各社各様の対応を効率性と安全性の観点から改善する)の3つの改革テーマの実行によって基本テーマを実現していく考えだ。ここでいう「受注型営業の深耕と提案型営業の推進」とは、顧客との毎回の接点を大事にし、同社の別の製品やソリューションを提供すること、他の企業に同社の製品を提案し、新たな顧客の獲得につなげることを意味している。

また、現中期経営計画が終了したその先もさらなる事業拡大に向けて邁進する考えだ。2031年3月期を目標年度として、連結売上高1,000億円超え、粗利率(事業会社平均)32%超え、営業利益率15%超え、従業員1人当たりの売上高7,000万円以上を数値目標としている。2031年3月期までの9年間を3年単位の中期経営計画に基づき進めること、既存事業による成長を10%、量産新製品の上市による成長を60%、M&A・アライアンスによる成長を30%と想定し、グループ会社のうち、6社が売上高100億円超えを達成することなどを基本的な戦略として掲げ、目標を達成していくことを計画している。

2022年3月期も営業改革による受注拡大と生産活動改革による利益率の向上が実現されていた。SDGsに対応した量産新製品の開発も順調に進んでおり、今後は同社の成長スピードの加速が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ワイエイシイ Research Memo(8):2024年3月期に売上高370億円、営業利益率10%を目指す