■エラン<6099>の株主還元策

利益配分については、株主に対する適正な利益還元を経営の重要課題として認識しており、内部留保の状況、各期における利益水準、次期以降の業績及び資金需要に関する見通し等を総合的に勘案した上で、株主への利益配当を実施することを基本方針としている。

この基本方針に基づいて、2021年12月期の配当は前期比2円増配の9円(期末一括)(注:2021年1月1日付で実施した株式分割を遡扱修正)とした。8期連続増配で配当性向は28.6%となる。また2022年12月期の配当予想は前期比1円増配の10円(期末一括)としている。9期連続増配で予想配当性向は30.2%となる見通しである。収益拡大とともに利益還元のさらなる充実も期待できるだろう。



■ESG経営・SDGsの取り組み

「エランクレド」を策定して全従業員で共有
より良い社会、より良い地球を目指して、ESG経営・SDGsへの取り組みを強化している。社会的課題解決との親和性が高いCSセット事業(入院患者、医療・介護現場の課題解決)、及び新事業(個人のライフステージ変化に伴うヘルスケア領域の課題解決)を展開し、誰もが健康に、安心安全に、笑顔で暮らせる社会の実現に貢献する。

具体的には、バリアフリーに対応したオリジナル商品開発(「コットン100%おしぼり」、8つの“できる機能”を搭載した「エイトブルコップ」など)、新型コロナウイルス感染症患者受け入れ病院・介護施設への支援(新型コロナウイルス感染症患者用の廃棄可能な衣類・タオル提供、マスクや防護服など不足物資の協賛)、難病患者・障がい者の支援(国立成育医療研究センターの医療型短期入所施設「もみじの家」に洗濯付きバスタオル・フェイスタオルの無償提供、難病患者の就業機会の創出など)、若手・女性が活躍できる職場環境と子育て支援、コーポレートガバナンスの強化(監査等委員会設置会社に移行完了、女性社外取締役の登用など)などを推進している。

2020年12月には、女性活躍推進法に基づく優良企業として、厚生労働大臣から「えるぼし」企業の認定を受け、最高位である3つ星を取得した。また全従業員が共有すべき経営理念、ビジネスポリシー、行動指針、マインドセットなど、エランカルチャーを構築するための基本ルール「エランクレド」を策定し、その浸透を図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 エラン Research Memo(9):2022年12月期は9期連続増配予想