■アイナボホールディングス<7539>の今後の見通し

2022年9月期は売上高で76,900百万円(前期比16.3%増)、営業利益で2,150百万円(同13.0%増)、経常利益で2,360百万円(同11.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,580百万円(同20.6%増)と予想されている。2022年9月期より買収した新規子会社の(株)マニックスが連結に加わっており、マニックスの業績は売上高で8,000百万円、営業利益で120百万円と見込まれていることから、その分を除いた既存会社ベースでは売上高、営業利益ともに小幅に止まっている。既存住宅市場の先行きは依然として不透明であることや、再びオミクロン株によるコロナ禍の影響が懸念されることなどから慎重な見通しとなっている。

また子会社別の営業利益予想は、主力のアベルコは1,760百万円(前期比160百万円増)、インテルグローは190百万円(同9百万円増)、温調技研は240百万円(同70百万円減)、今村は50百万円(同15万円増)となっており、温調技研を除く各社は増益を予想している。温調技研は、2021年9月期が比較的堅調であり水準が高かったこと、公共の入札が減少していること、民間の競争が激化していることなどから2022年9月期は若干の減益予想となった。

「重点課題」の目標値は、サイディングは4,200百万円(前期比1,281百万円増)、サイディングプレカットは1,000件(同206件増)、非住宅(店舗や商業施設等)2,500百万円(同877百万円増)、サッシ(支店含む)4,500百万円(同1,698百万円増)、サッシ(支店除く)3,000百万円(同1,364百万円増)、マリスト1,480百万円(同476百万円増)、アルティス280百万円(同11百万円増)、新規顧客開拓(金額)2,500百万円(同1,020百万円増)、同件数850件(同111件増)となっている。非住宅とは店舗や商業施設などのことである。今後同社が注力していく分野であることから、前期から重点課題に加えた。高い目標ではあるが、営業開拓も進んでおり、達成を目指す。サッシも非住宅と同様に注力する分野であることから、高い目標値となっている。マリストは大幅増収を目指しているが、前期が不振であったことから、目標値は前々期の水準へ戻した格好となっている。アルティスの目標値は、「アルティス」事業を行う子会社アルティスの売上目標である。

新規顧客開拓へも引き続き注力していく。新規顧客件数については、前期は739件であったが、2022年9月期は850件を目指すとしている。なお、新規顧客件数の目標値には新たに連結に加わったマニックスの分も含まれている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 アイナボHD Research Memo(5):先行き不透明で固めの予想。現在予想がボトムラインか