■事業概要

ベイシス<4068>はモバイルエンジニアリングサービスから事業を開始し、電力・ガスといった生活インフラを支えるIoT機器の設置まで事業領域を拡大している。インフラテック事業において、「モバイルエンジニアリングサービス」と「IoTエンジニアリングサービス」を手掛けており、独自開発のプロジェクト管理ツール「BLAS」やAI画像認識などのテクノロジーを活用することで、業務プロセスのDX化で現場から戻ったあとの事務または確認作業時間を9割以上削減するほか、業界全体の稼働率・生産性向上を支援する。

1. モバイルエンジニアリングサービス
主にソフトバンク<9434>や楽天モバイル(株)といった通信キャリア事業者に対し、5Gのエリア構築の調整や稼働している基地局の監視、携帯電話基地局やWi-Fi設備を設置するための用地交渉、物件選定、オーナー交渉などの置局業務、CAD図面作成・完成図書作成といった設計業務のほか、小型から大型な設備の工事を支援する。また、携帯基地局の無線機交換、バッテリ等付帯設備の点検、故障対応などの保守・点検、通信品質の劣化原因調査や電界強度、干渉要因の調査といった測定・解析、アラーム監視、コールテスト、ネットワーク設備の運用・監視、システム正常化確認などの監視、その他作業までを含め提供できるサービスである。

全国6拠点で北海道から九州まで最先端の5Gインフラ構築や100名を超える大型常駐型案件など多種多様なニーズに対応。必要に応じてシステム開発やRPAの導入によって業務効率化と自動化を促進。主な事例としてはインテグレーション対象基地局に対するパラメータの投入作業から、ネットワーク設備の運用・監視、システム正常性確認までを手掛けた案件では、12種類の手動作業を全てツール化して作業効率を大幅に改善。全体の作業生産性が20.87%上昇し、作業計画を2ヶ月前倒ししている。また、DX化された生産性の高い業務プロセスにより価格競争力も生まれる。

2. IoTエンジニアリングサービス
社会課題を解決する次世代ネットワークであるIoTの普及を支援する。電力会社やガス会社といった生活インフラ提供事業者のIoT機器の設置から運用保守を行っている。電力会社向けでは東京電力エナジーパートナー(株)管内の100万台以上のアナログメーターをスマートメーターに切り替えるプロジェクト等において、取替対象の顧客情報や作業員の稼働状況、取替状況の進捗など、数万単位のデータをリアルタイムで一元管理する自社開発のクラウド施工管理システム「BLAS」を導入し、大規模プロジェクトに対応する。

また、電力やガスのスマートメーターのほか、対応可能な業務は、防犯カメラ、マーケティングカメラ、ビーコン、水位センサー、漏水センサー、見守りセンサー、湿度センサー、温度センサー、開閉センサー、スマートロック、保育IoTマットなど多岐にわたり、AIカメラやセンサーなどへの事業領域拡大を目指している。これらサービスはいずれもBtoBビジネスのため、一般のエンドユーザーへ直接アプローチすることはなく、デジタル社会を陰で支える存在となる。

3. その他サービス
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を使ったソリューションを提供している。労働人口が減少している現在の社会において、これまで人の手で行っていた仕事を、AIやロボットなどのテクノロジーを活用することで業務の効率化を図る。RPAにおいては、エンジニアリング+コンサルティングにより、自動化対策業務の的確な選定や内製化促進をサポートする。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ベイシス Research Memo(3):業務プロセスのDX化で現場から戻った後の事務または確認作業時間を9割以上削減