シュッピン<3179>はカメラや高級腕時計など「価値あるもの」に特化したEC(eコマース)企業。中古品と新品のそれぞれのニーズの違いや商品特性の違いを生かし、中古品と新品が相互に作用し合いながら会員基盤の拡大や業績の伸びを実現してきた。最近では、独自のEC買取やOne to Oneマーケティング、CGMの活用などにも取り組み、プラットフォーム型事業モデルとして進化を続けている。足元では新型コロナウイルスの感染拡大(以下、コロナ禍)の影響により店舗売上が落ち込んでいるが、主軸であるEC売上はこれまでの施策の効果により順調に伸びており、新たな成長ステージに入ってきたと言える。
2. 主な活動実績 コロナ禍の下、これまでの取り組みに加え、EC強化策(人員リソースのシフト、商品掲載数やコンテンツの拡充等)をさらに進めたことにより、新規Web会員数やアクティブ率が第2四半期より順調に拡大。また、AIによる顔認証本人確認サービスの開始等によりEC買取金額も増加するなど、大きな成果をあげることができた。さらには、EC成長を加速させる仕組みとして、「1カテゴリ=1オフィス」「EC + CGM」「AIMD × One to One」についても順調に進捗している。
4. 今後の成長戦略 同社は、毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を更新(ローリング)している。カメラ、時計の中古品EC市場にてシェアNo.1をより強固にし、プレゼンス(プライスリーダー)をさらに高める方向性であり、シェア拡大に伴うEC売上の持続的成長をドライバーと位置付けている。また、粗利益率の改善、販管費率の低減により、売上高の成長以上に利益成長を重視していく方針としており、最終年度となる2024年3月期の目標として、売上高47,844百万円(3年間の平均成長率12.1%)、営業利益2,624百万円(営業利益率5.5%)を目指している。また、中長期目標の実現に向けて、4つの価値の「シンカ」(進価、深価、真価、新価)の追求を掲げており、2022年3月期については、One to Oneマーケティング(AIMD、コンテンツレコメンド)、時計商品ラインナップ拡充、販売チャネルの拡充等に取り組む。