■業績動向

1. 2021年3月期第3四半期累計の連結業績概要
コプロ・ホールディングス<7059>の2021年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比15.9%増の11,068百万円、営業利益が同15.6%減の958百万円、経常利益が同14.8%減の960百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.9%減の689百万円だった。

売上面は、コロナ禍でも新規採用を積極的に行い、技術社員数が増加(前期末比70人増加の2,054人)して2ケタ増収だった。第1四半期にコロナ禍の影響で工事現場の一時閉鎖と技術社員の一部休業が発生したが、休業した全技術社員に対して派遣先から月額契約に係る補償を受け取った。四半期別売上高を見ると、第1四半期は前年同四半期比19.3%増の3,606百万円、第2四半期は同16.4%増の3,664百万円、第3四半期は同12.5%増の3,796百万円と順調に拡大した。

業種別で見ると全業種で伸長した。建築は前年同期比11.7%増収、土木は同22.6%増収、設備は同18.0%増収、プラントは同19.6%増収、CADは同4.5%増収、その他は同20.5%増収だった。エリア別で見ると、主力の関東・東海・関西が同13.0%増収、地方合計が同23.3%増収と、いずれも伸長した。営業エリア拡大に伴って、特に地方圏の建設会社向け売上が増加し、地方合計の構成比が同1.8ポイント上昇して30.4%となった。

採用は同91人減少の693人だった。前年同期比では減少だが計画を上回る水準だった。人財の質を重視した採用活動を実施しているため、年間採用数は前期比マイナスの計画である。

利益面は、2020年4月に開始された「派遣労働者の同一労働・同一賃金」制度に伴う技術社員の給与テーブル引き上げの影響を増収効果で吸収したが、全技術社員へのスマートフォン貸与に係る費用、新型コロナウイルス感染疑いのある技術社員の自宅待機に伴う特別休暇取得に対する給与支払、及び成長に向けた一過性コストの影響で減益だった。売上総利益率は同4.9ポイント低下して28.5%だった。販管費は同7.0%増加したが、販管費率は同1.7ポイント低下して19.8%だった。採用費は戦略的に抑制しているため、採用効率が大幅に改善(中途技術社員の1人当たり採用費は同19.5%減の159千円)した。なお一過性コスト(合計158百万円の減益要因)の内容は、売上原価では新卒技術社員増加に伴う研修費、コロナ禍の採用継続による待機労務費、販管費では営業コンサル及び基幹システム再構築関連費用、支店新設・集約費用、グローバル事業本格化に向けた調査費用、新型コロナウイルス感染症対策費用、東証1部・名証1部への市場変更関連費用である。一過性コストを除くベースでの営業利益は同1.6%減の1,116百万円で、ほぼ前年同期並みだった。

2. 財務状況
財務面で見ると、2021年3月期第3四半期末の資産合計は主に現金及び預金が増加して前期末比407百万円増加の8,437百万円、負債合計は同23百万円減少の2,519百万円、純資産合計は主に利益剰余金が増加して同430百万円増加の5,918百万円、自己資本比率は同1.8ポイント上昇して70.1%となった。財務の健全性は高い。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 コプロHD Research Memo(3):2021年3月期第3四半期累計は一時的要因で減益