■業績動向

4. 財務状況と経営指標
スカラ<4845>の2021年6月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比286百万円減少の24,626百万円となった。流動資産では、ソフトブレーンを非継続事業として分類したことを主因として現金及び現金同等物が4,455百万円減少したほか、営業債権及びその他債権が2,002百万円減少し、売却目的で保有する資産13,705百万円を計上した。また、非流動資産ではソフトブレーンに係るのれんが5,136百万円減少したほか、使用権資産が892百万円、無形資産が1,074百万円それぞれ減少した。

負債合計は前期末比274百万円減少の14,295百万円となった。ソフトブレーンを非継続事業として分類したことを主因として営業債務及びその他債務が1,594百万円減少したほか、リース負債が941百万円、有利子負債が357百万円それぞれ減少し、売却目的で保有する資産に直接関連する負債2,967百万円を計上した。資本合計は同12百万円減少の10,331百万円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益137百万円、及び非支配持分に帰属する四半期利益120百万円を計上した一方で、配当金245百万円を支出したことによる。

経営指標を見ると、親会社所有者帰属持分比率は前期末横ばいの29.7%となり、有利子負債比率についても同3.4ポイント低下の113.2%とほぼ前期末と変化は見られなかった。ネット有利子負債(現金及び現金同等物−有利子負債)について、ソフトブレーンを非継続事業に分類したことで大きく悪化しているが、ソフトブレーン株式の売却資金が下期に約105億円入ってくることから、2021年6月期末時点でのネット有利子負債は大幅に改善しているものと予想される。同社は株式売却で得た資金を新たな投資資金として活用していくほか、一部は借入金の返済に充当する計画となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


<YM>
情報提供元: FISCO
記事名:「 スカラ Research Memo(8):ソフトブレーン株式の売却資金を活用して積極投資を行う予定