(2) 各事業の進捗 a) メガソーラー 採算性の低下した建設中のプロジェクト1件の投資元本を回収したことにより、2020年21年3月期第2四半期末のプロジェクト数は22件(24発電所)で合計85.8MWとなった。そのうち、上期は2件(4発電所)が売電を開始し、売電中のプロジェクトは16件(18発電所)で合計53.2MWに増え、収益の底上げに貢献した。下期は、期初計画からの方針転換により7件(合計18.3MW)のプロジェクト売却を予定している。
b) メガソーラー以外の再生可能エネルギー 木質バイオマス発電1件(2.0MW/売電中)、バイオガス発電2件(1.6MW/売電準備中、0.03MW/売電中)、風力発電1件(最大25.2MW/建設・企画中)の合計4件を推進している。そのうち、バイオガス発電1件(羽村バイオガス発電所)については、食品廃棄物からバイオガスを生成して、発電に再利用する食品リサイクル事業を営む(株)西東京リサイクルセンターがオペレーションを手掛けている。近年では、フードロスの削減が進められているが、食品廃棄物を完全にゼロにすることは現時点で困難であることから、廃棄物をそのまま処分するのではなく、再生可能エネルギーとしてリサイクルするこの事業は、持続可能な社会の発展に大きく寄与するものとして注目されている。西東京リサイクルセンターでは、食品メーカーなどの事業者から廃棄物を調達する活動を推進し、バイオガス供給量を安定させたのち、羽村バイオガス発電所を本格稼働させる計画である。
c) スマートアグリ 植物工場(篠山工場)については大手コンビニエンスストア向けの販路開拓に成功した。無農薬で栽培したサラダ用のレタス販売に加え、コロナ禍により拡大した中食需要も獲得し、順調に拡大しているようだ。同社では2021年3月期中に篠山工場の黒字化に道筋をつけ、レタスの2号工場にも取り組む計画である。また、戦略投資先のMD-Farm(エムディーファーム)(株)が手掛ける工場栽培のイチゴについても、販売候補先を開拓中である。MD-Farmは、閉鎖型の植物工場で、国産のイチゴ品種を通年にわたり安定的に栽培している。工場でのイチゴ栽培は、長年の間技術的に困難とされてきたが、独自に開発した技術により実現にこぎ着けた。高品質で鮮度が高く、しかも完全無農薬で栽培された安全なイチゴを通年で提供することで、大きな潜在需要の獲得を見込んでいる。