2015年には、ITを使って業界に変革を起こす取り組み「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」が本格化し、建設や農業などの分野でパートナー企業・団体とのプロジェクトがスタートした。最も成果が顕在化しているのは建設業界である。2017年にはコマツを含む4社で建設生産プロセスの新プラットフォーム「LANDLOG」がスタートし、パートナー企業及び顧客が増え続けている。農林水産業では、2016年に農業分野でドローンを活用した害虫駆除の実証実験に成功した。2018年には、同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、米や大豆を始めとする作物が本格的に収穫された。その他、医療、電力、警察、小売、金融、運輸などの各業界で「〇〇×IT」の取り組みが始まっている。また、学習済みのパッケージサービス「OPTiM AI Camera」は、手軽にAI・IoTを活用できる月額課金プロダクトであり、顧客の導入ハードルを下げることに成功、普及が進んでいる。
2. 事業内容 同社の主力サービスは「IoTプラットフォームサービス」であり、全社売上高の79.4%(2020年3月期)を構成する。スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスである。パートナー企業による代理販売、OEM提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。なお、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した業種別の取り組みや、「OPTiM AI Camera」を始めとするパッケージサービスもこのセグメントに属する。
「リモートマネジメントサービス」は全社売上高の11.2%(同)を構成する。その中の遠隔作業支援サービスである「Optimal Second Sight」は、現場での作業支援のみならず、災害時のスムーズな救援活動及び現場把握の災害対策の支援機器として採用されている。遠隔画面共有と遠隔操作がコア技術であり、導入企業の端末数に応じたライセンス料を受領する。