「日本の家を100%耐震に。」を掲げ独自工法であるSE構法による耐震化を推進しているエヌ・シー・エヌ<7057>。同社は2008年から「ロハスデザインアワード」でこれからの家づくり「エコハウス」の啓蒙活動や、2016年に石巻で開催された「Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016」で、SE構法を活用したステージやイベントブースを提供し、木材を活用した様々な住環境に対する提案を行ってきた。

2019年には、千葉県いすみ市のグランピング施設「いすみフォレストリビング」に、SE構法によるアウトドアデッキを提供。木造住宅の供給を通じ、安全で自然と融和のとれた生活環境の実現としてSDGsのゴールを目指す同社にとっても、「いすみフォレストリビング」の森林資源の活用や地域との協力、自然に生育する森を楽しむというコンセプトは大いに共感するものだった。敷地内に「MUJI HOUSE」の新商品『陽(よう)の家』のモデルハウスも建てられ、見学が可能である。
「『MUJI HOUSE』 の松崎暁社長とお会いしたあたりから、『ライフスタイル』について考えさせられるようになりましたね」と語るのは、田鎖郁男(たくさり いくお)社長だ。田鎖社長自身も「MUJI HOUSE」の専務取締役を務めている。

商社マンとして活躍していた1995年、阪神淡路大震災に遭遇、壊滅的となった木造住宅を目の当たりにした。震災による死者は6400人−。殆どが家の下敷きによる圧死。それが木造住宅の耐震設計をする会社エヌ・シー・エヌ起業のきっかけであった。
「どうしたら死者を出さないようにできるのか考えてばかりいたので、『どう生きるか』についてはあまり考えてこなかったんですよ」
「MUJI」ブランドが世界中に受け入れられているのは一言で言えば、シンプルさ。禅にも通じるその思想、最小限の機能と結びついたデザインから「どう生きるのか」をインスパイアされたと、田鎖社長は言う。「素材の良さ、暮らしと結びついた機能性とデザイン。今回のコロナ禍で『MUJI』が作ったマスクも、肌触りが断然良いんですよね」と称賛する。ライフスタイルの追求は、エヌ・シー・エヌの戦略にも影響を与えているようだ。

ポストコロナの環境下でテレワークをはじめとする働き方改革が進めば、住居の首都圏集中から地方への分散も進む。首都圏から少し離れることで土地も住居も安価で入手できる。事実、同社の木造住宅や「MUJI HOUSE」への申し込みも、地方に居住希望の30歳台前半の若い世代が多いのだという。

直近では、「ミニマルライフ」・「タイニーハウス」・「多拠点居住」など、暮らし方の選択肢を増やし、「住」の視点から新たな豊かさを定義し発信しているYODOKARIと資本業務提携を結んだ。
「住むのは小屋でいい、という若い世代の見方は衝撃的でしたね」
新たなライフスタイルに目配りしながらも、「どこであっても耐震化は進めていきたいですね」と語る田鎖社長の創業時の意志にブレは無いようだ。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 エヌ・シー・エヌ---ポストコロナ時代のライフスタイルを提案する