ナノキャリア<4571>は3日、国内開発・販売権を取得した遺伝子治療製品VB-111に関し、導入元のVBLTherapeutics(VBL社)が1日に、国際共同第3相臨床試験(OVAL試験)の中間解析結果概要について、⽶国臨床腫瘍学会(ASCO)にて報告したことを発表。

評価可能60例についてVB-111治療群とコントロール群のCA-125奏効率を比較分析。今回の中間解析の結果は、均等に無作為化されていると仮定した場合、治療群(VB-111とパクリタキセル週1回投与の併⽤)における奏効率は58%以上になった。この数値は、良好な結果であった卵巣がんを対象とした第II相試験の結果と少なくとも同等であり、よく再現されていると考えられる。第II相試験においては、CA-125奏効例の全生存期間中央値は808日、CA-125非奏効例では351日だった。
今回実施している第3相試験においても、無作為化比較試験においてVB-111が標準治療に比べ、効果が高い可能性があることを示した。

すでに25%以上の患者が本試験に登録されており、今年後半にヨーロッパと日本に拡⼤するとしており、日本の開発はナノキャリアが担当する。既に国内治験実施のために必要なカルタヘナ法に基づく第一種使用規定の承認も取得しており、第III相試験参画に向けた各種準備を進めているとしている。次の中間解析は、2020年第3四半期(2020年10月-12月)に予定されている。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 ナノキャリア---ASCOで遺伝⼦治療製品VB-111の卵巣がんOVAL試験の良好な中間解析データを発表