■中長期のトピック

1. トーンモバイルとDTIの事業統合
フリービット<3843>の連結子会社(株)ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)は、2019年12月、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)(CCC)の連結子会社であるトーンモバイル(株)の全事業について承継し、CCCとの業務提携契約を解消した。承継の方法は、会社分割(吸収分割)。2019年6月に同社保有のトーンモバイル全株式をアルプスアルパイン(株)に譲渡した経緯がある。同社とCCCは2015年2月の資本業務提携以来、トーンモバイルの技術及びサービスの向上や販売において協業し、特定の顧客セグメント(子供、シニア、ファミリーなど)で優位性の高いモバイル通信サービスとして認知されるまでブランドを確立してきた。その結果、トーンモバイルは2019年3月期下期に経常利益ベースで黒字化を達成している。

事業統合の目的は、1)BtoC事業の拡大、2)アルプスアルパインとの協業事業の拡大、3)運営効率化による収益性の向上、の3点である。BtoC事業の拡大によって、マーケティング強化による販売力向上やブランディング戦略の一元化を図ると同時に、アルプスアルパインとの協業事業の拡大もすることで、CaaS(Car as a Service)領域における革新サービスの提供と最先端テクノロジーの他事業への展開を見込む。こうした事業リソースの最大活用や業務機能の統合によって、運営効率化による収益性の向上を実現するとしている。

今後はアルプスアルパインとの連携によるCaaSの取り組みや同社グループ内でのシナジーを最大化すべく、更なる成長を目指す。なお、CCCとの業務提携解消後もCCCグループの店舗でのサービス提供は当面継続する。

2. 世界初の集合住宅向けISP新サービス「SPES」を開始
同社の連結子会社(株)ギガプライズは、NECネッツエスアイ(株)(本社:東京都文京区)、Broadcom Inc.(本社:米国サンノゼ)との連携のもと、SPE(シングル・ペア・イーサネット※)技術を活用し、既存物件に対してインターネット接続が可能となる世界初の集合住宅向けISPサービス、「SPES」を共同開発した。「SPES」は、既存物件へのサービス導入にかかる時間的コストや費用等を縮小し、短期間でインターネット接続を可能とするサービスで、1)既存の電話配線を活用し、インターネットの利用が可能、2)宅内工事が不要、3)宅内装置のACアダプタが不要、4)最新のEthernet通信規格を採用、5)従来通信技術に比べ、省エネ、小型化、低コストという5つの特長がある。このサービスは、ISPサービス業界が長年課題としてきた、既存物件へのサービス導入にかかる入居者との日程調整及び工事調整などの時間的コスト、またそれらの調整を行う管理会社やハウスメーカーの設備投資費用などを縮小し、短期間でのインターネット接続を可能とする。2020年1月末より販売を開始した。

※シングル・ペアのメタリックケーブルで Ethernet通信を実現するIEEEで標準化が進行中の新技術 。車載ネットワーク、ビル・工場等既存メタル通信市場のEthernet化に向けた利用が期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 フリービット Research Memo(3):世界初の集合住宅向けISP新サービス「SPES」を開始