シンバイオ製薬<4582>は6日、2019年12月期決算を発表した。売上高が前期比26.0%減の28.37億円、営業損失が43.01億円(前期は26.56億円の損失)、経常損失が43.76億円(同27.48億円の損失)、当期純損失が43.76億円(同27.52億円の損失)となった。

国内事業について、トレアキシン(R)の国内販売においてアステラス製薬<4503>の連結子会社であるアステラス ドイッチランドから輸入した凍結乾燥注射剤において異物の混入及び外観不良などが両者間で締結した供給契約で定めた品質基準を著しく超えた割合で認められたことを受けて、同社から販売委託先のエーザイ<4523>へのトレアキシン(R)100mg製剤の出荷時期が当初の予定よりも遅延した。この影響により当年度の売上高は当初計画比36.4%の減少となり、営業損失も増加した。

2018年10月よりトレアキシン(R)の国内販売について自社による販売体制構築の準備を開始した。当年度においては、自社販売体制における営業組織の中核と位置づけているトレアキシンマネージャーの増員と研修を計画通りに実施した上で、2019年7月より各トレアキシンマネージャーが担当地域に根ざした情報提供活動を開始し、2020年12月期上期の全国営業組織の構築完了に向けて着実に進展した。当第4四半期においては、全国営業組織完成に必要となるリージョナルセールスマネージャーとトレアキシンマネージャーを追加採用したことに加えて、流通及び物流機能を整備すべく医薬品卸売業者との業務提携及び物流センターの東日本地域と西日本地域の2拠点化の確立についても大きな進捗を達成している。

海外事業については、SyB L-0501が韓国、台湾、シンガポールにおいても販売されており、製品売上は計画を上回る水準で順調に推移した。

新規開発候補品の導入については、常時複数のライセンス案件を検討しており、新薬開発候補品のライセンス権利取得に向けた探索評価の継続的な実施を通じてパイプラインの拡充を行い、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業として長期的な事業価値の創造を目指している。また、100%出資の米国子会社SymBio Pharma USA, Inc.をグローバル事業の拠点として新薬候補品の全世界におけるライセンス権利を積極的に取得することにより、米国、日本、欧州をはじめとする主要市場において開発・商業化を目指して、グローバル・スペシャリティファーマへの転換を進めていくとしている。

2020年12月期通の業績予想については、売上高が前期比20.0%増の34.04億円、営業損失が50.90億円、経常損失が51.34億円、当期純損失が48.03億円を見込んでいる。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 シンバイオ製薬---19年12月期減収、次期はトレアキシン(R)の国内売上が伸長の見込み